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#かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 25巻 評論(ネタバレ注意)

名門の子女が集う名門学園の生徒会長・白銀御行と副会長・四宮かぐや。プライド高いエリート同士、美男美女同士の「告白した方が負け」。稀代のラブコメメーカーによる恋愛マウント駆け引きバトル、現役最強ラブコメ。

「信者」と言っていいぐらい自分はこの作品が好きなので、新刊の度に何を書こうか悩ましいです。褒め言葉のバリエーションがあんまり多くないので。

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「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」25巻より(赤坂アカ/集英社)

この作品の新刊に関する自分の感想記事を次の日に読み返すと、毎回「ちょっと気持ち悪いなあ…」と思います。

白銀とかぐやが3年生になり、新キャラも登場し、飛び級でスタンフォード大への進学を決めた白銀に残された高校生活は残りわずか。

四宮家と四条家の抗争がついに勃発・表面化。

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「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」25巻より(赤坂アカ/集英社)

それを契機に、幽閉同然にかぐやは登校しなくなりついには白銀への別れをすら切り出し、高校生たちの手の届かないところで事態は進んでいく。名門校の生徒会長とは言え一介の高校生に過ぎない白銀は、それでもまだ、かぐやを救い出すことを諦めていなかった。

という、前巻で最終章突入が告知されたクライマックス突入。

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「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」25巻より(赤坂アカ/集英社)

全般的にシリアスですけど、ギャグコメを挟んでくる展開は最終章に至っても相変わらず。

これまでのキャラのあしらい方から考えると、近巻に新登場した不知火ころも、転勤してきた担任、四条帝については、消化不良というか掘り下げないままクライマックスに入ってしまった、不自然な感じがします。

進行のノイズになると判断されたのか、読者人気が思いのほか伸びなかった「枝」を剪定したのか、何か急いで作品を畳まないといけない事情が発生したのか。

この3人が今後急に活躍してもちょっとキョトンとしてしまいますね。

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「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」25巻より(赤坂アカ/集英社)

あとは名家の子女の秀才たちとは言え、日本を揺るがす財閥同士の抗争に一介の高校生たちが介入する話になるので、ちょっと厨二病展開になっていくのはある程度覚悟しとかないといけないのかな、と思いました。ちょっと「ぼくらの七日間戦争」的な感じを思い出しますね。

現実では勝負にならない勝負ですけど、漫画作品として俯瞰して見ると、正直キャラとして主人公たちが人格・能力共に安定しているのと、ラスボス含めて悪役たちがキャラ的に格で劣り人数も少ないのと、「ここまで愛された作品をバッドエンドにはできないだろう、ハッピーエンドを描くだろう」との作者へのメタな信頼が強過ぎて、読んでいてハラハラしないのもちょっと難点ではありますね。

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「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」25巻より(赤坂アカ/集英社)

読者の予想を裏切るのではなく、読者の予想の上を行ってほしいなあ、と思うんですが。

 

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