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#ソウナンですか? 10巻 【完】 評論(ネタバレ注意)

美少女を描けないというか描く気がなさそうな「山賊ダイアリー」の岡本健太郎が、人に作画を任せて原作を務める、修学旅行の飛行機が洋上に墜落して生き残った女子高生4人の無人島サバイバルな四少女漂流記。

サバイバルなので基本的にストーリーはないに等しく、原作者の専門がアウトドア、サバイバル、ハンティングなのでサバイバル知識・技術を活かせるシチュエーションを軸にエピソードが組まれる。人呼んで「汚いゆるキャン△」とも。

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「ソウナンですか?」10巻より(さがら梨々/岡本健太郎/講談社)

組み上げた船で意を決して無人島を後にし、嵐の海での最大の試練を乗り越えて前巻ラストで救助された4人。

前巻で完結、でも形になったし読者の不満も多分なかったと思いますが、完結巻の今巻で帰還後の日常生活が1冊かけて描かれたエピローグ。

好みの問題として自分はエピローグが長いほど嬉しい派なので、というのは置いておいても、無人島生活とのギャップや4人の成長ぶりがうかがえる良いエピローグでした。

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「ソウナンですか?」10巻より(さがら梨々/岡本健太郎/講談社)

墜落事故から2ヶ月、漂流生活から帰還した4人は一躍「時の人」に。元いたはずの日常が少し違って見えつつ、眼鏡っ子のむつは出版社の依頼や他の3人の推薦もあって出版した体験記がベストセラーに。

むつは巨額の印税を、思い切った使い途に投じることにした…。

苦労はしつつも9巻を除いてほぼコメディ進行だったはずの作品ですけど、サバイバルを生き抜いた末の大団円、ちょっとグッときてしまいますね。

反面、最後まで相変わらず「この漫画、バカだなあ…w」っていう、「汚いゆるキャン△」の面目躍如な馬鹿展開も。

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「ソウナンですか?」10巻より(さがら梨々/岡本健太郎/講談社)

エンディングテーマは「LET IT BE」かな? なんだか作品にそぐわないようでいて、これしかないような気もする選曲。

めでたく、4人のことを少し誇らしく思う反面、4人のドタバタサバイバルがもう読めないと思うと寂しくもありますね。

お疲れ様でした。すげー面白かったわ。

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「ソウナンですか?」10巻より(さがら梨々/岡本健太郎/講談社)

ところで、あの、岡本先生、「山賊ダイアリーSS」の続巻をもう5年も待ってるんですけど、そろそろ描いちゃもらえねえですかね…

 

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