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#将棋の渡辺くん 6巻 評論(ネタバレ注意)

タイトル通算獲得数・歴代4位の、プロ将棋界の実力者・渡辺明 名人の日常を、奥さんが描く、という実録コメディ漫画。

今巻収録エピソードから時期的に新型コロナウイルス禍、渡辺の名人位奪取、

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「将棋の渡辺くん」6巻より(伊奈めぐみ/講談社)

そして将棋界に現れた若きスーパースター・藤井五冠が初のタイトルを獲得し本格的に快進撃を始める頃のお話。

現在の将棋界を語る上で藤井五冠に触れないわけにはいかないというか、「藤井くんイジり」のエピソードがだいぶ多いです。

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「将棋の渡辺くん」6巻より(伊奈めぐみ/講談社)

内容を藤井五冠に寄せていった、というよりは、なにしろ渡辺が作中で3回もタイトル戦で藤井に負けてるので、自然とそうなっちゃう的な。

作者が渡辺の配偶者ということもあり、忖度して藤井戦の話題を避けたりがあってもおかしくはないんですが、

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「将棋の渡辺くん」6巻より(伊奈めぐみ/講談社)

作者が渡辺に対して生活と家計を共にしている仲にも関わらず(共にしている仲だからこそ?)、

「やーい、また負けた〜」

「ねえねえ、負けて今どんな気持ち?」

と、ファンや読者が一番訊いてみたいことを何の遠慮もなくぶっこんでいきます。

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「将棋の渡辺くん」6巻より(伊奈めぐみ/講談社)

渡辺が渡辺で、特に腹を立てるわけでもなく、やや自虐気味ながら淡々と敗因や将棋界での自分や藤井の立ち位置を客観的に分析し、赤裸々に語ります、という内容。

自分はネットで将棋関連の記事を見て、動向に「藤井すげーなー」「おー渡辺、名人獲ったか」程度の、将棋ファンとしてはスーパーライト層ですけど、大変興味深く楽しんでます。

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「将棋の渡辺くん」6巻より(伊奈めぐみ/講談社)

渡辺名人自身はいろいろあって毀誉褒貶の激しい棋士で自覚も十分お有りのご様子ですが、令和初頭の将棋界が渡辺視線で語られる実録漫画としてとても楽しい作品。

作品継続ということで、一読者として嬉しい限り。

 

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