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#姫様“拷問”の時間です 9巻 評論(ネタバレ注意)

国王軍と魔王軍が衝突する世界。

国王軍の王女にして第三騎士団の団長・姫は、意思を持つ聖剣エクス(ツッコミ役)と共に魔王軍に囚われの身となった。

戦局を有利に導くべく、魔王軍はあらゆる手を使って敵の幹部である姫から秘密の情報を引き出そうとする…

という、ファンタジー世界を舞台にしたゆるーいコメディ漫画。

「姫様“拷問”の時間です」9巻より(春原ロビンソン/ひらけい/集英社)

タイトルにも作中のセリフにも「拷問」という物騒な単語が踊りますが、中身はストレスなしのギャグコメディ。半分は実質グルメ漫画。

あとはもう黄金のワンパターンの手を変え品を変えの繰り返し。牧歌的で微笑ましい馴れ合いの世界。登場人物が全員なにかしらポンコツです。

「姫様“拷問”の時間です」9巻より(春原ロビンソン/ひらけい/集英社)

オーソドックスな「通常拷問回」も楽しい巻ですが、今巻はいつにも増して「問題回」というか「話題回」を多数収録。

生命への感謝回、くじ引き回、その他もはや拷問の体裁すら採っていない変化球がことごとくいいコースに決まってるのに加えて、出色は過去一番の精神攻撃が姫を襲う日記回と、

「姫様“拷問”の時間です」9巻より(春原ロビンソン/ひらけい/集英社)

なんと言ってもサクラ回ですよね。

かつて僚友として姫の近辺に仕えながら、その実は使命を帯びて、最終的に姫を裏切って背中から斬りつけた暗殺者・サクラ。互いに数奇な運命を経て捕虜と拷問官として牢獄で再び邂逅した二人。

「姫様“拷問”の時間です」9巻より(春原ロビンソン/ひらけい/集英社)

ギャグ回の締めに使いまわされてきた定番ナレーションを、ハートウォーミングにチャーミングにリフレイン。

単行本だけに収録されている、直後の幕間の短い記述がまた良いんですよね。優しい世界。その他、書き下ろしで牧場編のアフターエピソードも収録。

あと実家に帰った回想シーンのトーチャーの、無防備な表情がとても可愛いかったです。

「姫様“拷問”の時間です」9巻より(春原ロビンソン/ひらけい/集英社)

喜怒哀楽の解像が非常に緻密・繊細な作画で、キャラの表情の演技で説明セリフを省略することで生まれるテンポは、原作者の強い助けというか、作品の大きなアドバンテージになってる印象があります。

次巻は10巻、このワンパターンなはずだった出オチの建て付けでの2桁突破は、偉業と言って良いのではw 100巻目指しちまえw

 

 

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