#AQM

I oppose and protest the Russian invasion of Ukraine.

#ゴールデンカムイ 30巻 評論(ネタバレ注意)

明治40年前後の北海道が舞台。日露戦争の二〇三高地で超人的な活躍をして「不死身の杉元」と呼ばれたけど上官半殺しにしてクビになった元軍人とアイヌの少女・アシリパのコンビを主人公に、網走監獄の囚人たちの刺青に刻まれたアイヌの隠し大金塊の地図を巡る血生臭い冒険もの。

「ゴールデンカムイ」30巻より(野田サトル/集英社)

金塊を争う勢力は

①土方歳三一派
②鶴見中尉一派
③杉元・アシリパ一派
④海賊房太郎一派
⑤ソフィア一派

でしたが、同盟などで段々と二極化に近づいて札幌で色々あって、

①土方歳三・杉元・アシリパ・海賊房太郎・ソフィア連合(一部死亡)
②鶴見中尉一派

に二極化・集約されました。

鶴見一派vsそれ以外全部とも言う。

「ゴールデンカムイ」30巻より(野田サトル/集英社)

アシリパが知る「暗号を解く鍵」が両方(つまり全員)に知られることとなり、ついに金塊の在処が明らかに。

運命の地、そして土方歳三にとっては因縁の地、金塊争奪戦の最終決戦は函館・五稜郭へ。

『Zガンダム』の最終話の一つ前、第49話のエピソードタイトルは「生命散って」というもので、最終決戦で個性的な名脇役たちが次々に戦死していくエピソードでした。

世の中には自らを「皆殺しの●●」と形容して喜ぶ、趣味の悪い変態作家も複数います。

「ゴールデンカムイ」30巻より(野田サトル/集英社)

「人が死んだら悲しくて泣ける」というと安い感動のようにも思いますが、特に戦記もののキャラの死に様というのは生き様の裏返し、「何に命を賭けたのか」という話で、醍醐味の一つではあるんですよね。

自分はヘンケン艦長の死に様というか生き様というか、まさに「何に命を賭けたのか」という不器用な最後の選択がとても好きでした。

「ゴールデンカムイ」30巻より(野田サトル/集英社)

「ゴールデンカムイ」を分類しても「戦記もの」には当たらないでしょうが、でもそういう、たくさんのキャラたちの生き様と死に様が交錯する、「生命散って」と副題をつけたくなるような30巻。

あとこれは自分の趣味嗜好によるものかもしれませんが、「Zガンダム」絡みで話すとシャア・アズナブルのごとく、アフター明治維新のフィクション作品に土方歳三が出てくるとどうしても話の中心を主人公から持って行ってしまうきらいはありますねw

「あの」後、土方歳三がどう生きてどう死んだのか、「この作品ではどう描かれるのか」と、興味がついついそっちに…

「ゴールデンカムイ」30巻より(野田サトル/集英社)

次巻31巻で完結。五稜郭の戦いを経て、最後の最後のラスボスとの直接対決、汽車の決戦とエピローグを残すのみ。

読者の皆さんもそれぞれにご贔屓のキャラがいると思います。

もはや「生き残って欲しい」とは口にしないものの、それぞれに本懐を遂げて欲しいものだと思います。

 

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