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#転生したらスライムだった件 21巻 評論(ネタバレ注意)

サラリーマン(37)が刺されて死んで異世界に転生したらスライムだったけど、付与された特殊能力で強力な魔物スキルをガンガン吸収してスライムにして最強、人型にも顕現可能に。

『転生したらスライムだった件』21巻より(川上泰樹/伏瀬/講談社)

リムルを名乗り、多くの魔物を配下にジュラの森の盟主となり「魔国連邦」を建国。襲来した人類国家ファムルス王国軍2万の兵をリムル自ら直接殺害して魔王に覚醒。暗躍する魔王クレイマンとも、10人の魔王による会議・ワルプルギスで決着をつけ、並行して魔王領各地で勃発したリムル陣営vsクレイマン陣営の闘争はリムル陣営が完勝。

次いで、魔物を駆逐するべしとの教義、配下にリムルと同じ転生者の聖人(魔王級)や聖騎士団を擁する西方教会。

『転生したらスライムだった件』21巻より(川上泰樹/伏瀬/講談社)

影の支配者に壟断され、操られるように魔国連邦と戦闘に突入する聖人ヒナタと聖騎士団。

ということで、鬱々とした陰謀によって始まった戦闘を、リムルら魔国連邦が手加減しつつも戦闘能力で真正面からぶっ壊す、スカッとテンペストな「なろう」らしいカタルシスの巻。俺TUEEEEしてんのが主人公だけじゃなく、配下全員が流して完勝する典型的な厨二病展開の醍醐味。

『転生したらスライムだった件』21巻より(川上泰樹/伏瀬/講談社)

典型的ですけど、展開・描写あわせて表現としてこのジャンルの最高峰というか、「日本一の俺TUEEEE」な感じはあります。

「俺TUEEEE」の作品は大変増えましたけど、斜に構えて展開で手を抜いていたり描写が雑だったりと「俺TUEEEEE」の魅力をちゃんと描いてくれる作品って意外と数が限られるんですけど、この作品は前段の準備から余念なく外連味たっぷりに「かっこよく魅せる」ことに取り組んでいて、さすが「気合い入ってんな」という感じ。

『転生したらスライムだった件』21巻より(川上泰樹/伏瀬/講談社)

今巻は、ヒナタは現場の駒としては最強級だけど、「勝つ」以外に戦争を回避する・終わらせるプロデュースの能力にまったく欠けてんね、という。

日本からの転生者で「魔王級」の聖人と、主人公格の設定を与えられていながら、老害に状況を操られるままに戦闘に入って誤解を解く(というより誤解に気づく)こともできないただの戦闘バカに見えちゃって、現時点ではこれまでの出番の積み重ねもあってリムルの手下の紅丸の方がモノ考えてるように見えてしまうという。今回「やられ役」の損な役回りだったハンデもあったので今後に期待。

あとディアブロみたいな厨二病設定で水戸黄門設定でひたすら強いだけ、って反則キャラはやっぱいいよねぇ〜、という。

『転生したらスライムだった件』21巻より(川上泰樹/伏瀬/講談社)

主人公リムルも反則ですけど、まあそれは最初っからですし、という。

あと巻数重ねて、コミカライズの作画自体がどことなく荒削りだった1巻の頃と比べて、シンプルな線で安定というか風格というか、整って見えますね。

 

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