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#株式会社マジルミエ 3巻 評論(ネタバレ注意)

突如発生し人に害をなし損害を与える怪異を、退治するサービスが「魔法少女」と称され複数の企業が魔法少女サービスを提供する社会。

就職活動中の女子学生・桜木カナは面接に連戦連敗中の最中、大手金融企業の面接中に会議室で発生した怪異に巻き込まれる。

『株式会社マジルミエ』3巻より(岩田雪花/青木裕/集英社)

通報で現場に駆けつけた魔法少女・越谷仁美の怪異退治「業務」を手伝った縁で、カナは魔法少女ベンチャー企業「株式会社マジルミエ」にスカウトされ魔法少女として就職することになった…

という、ジャンプ+の魔法少女お仕事漫画。

魔法少女を企業サービスとして現代社会ナイズ、ファンタジー世界観を部分的にリアリティラインを押し上げてシミュレーションしてお仕事漫画のテイに。

『株式会社マジルミエ』3巻より(岩田雪花/青木裕/集英社)

「今日も一日がんばるぞい!」がバケモノ退治する漫画、でざっくり説明できちゃいそうな世界観。

大手を始め業界体質が汎用既成プロダクト(魔法)を用いた短時間・効率主義であるに対し、現場主義に基づく丁寧なリサーチとオーダーメイド新魔法の個別開発で対応するマジルミエ。

SI業界で、デファクトスタンダードなプロダクトでゴリ押しする大手と、小規模ながら高い技術力でオーダーメイドのスクラッチ開発する優良ベンチャー、みたいな対比。

前巻以来のエピソード、資生堂がモデルの化粧品メーカー・ミヤコ堂の「魔法少女部門」との協働編が今巻前半で完結。

『株式会社マジルミエ』3巻より(岩田雪花/青木裕/集英社)

新エピソード、魔法少女EXPO編を今巻いっぱい使って完結まで。

魔法少女業界の技術展示会、魔法少女EXPO。

その基調講演の壇上デモンストレーションにおいて、デモ用の怪異がこれまでにない変異を起こし暴走。EXPO会場は魔法少女業界関係者たちがパニックを起こして避難する阿鼻叫喚の事態に。

大手も手を出さない混乱に、現場即応を旨とする株式会社マジルミエ・チームは怪異の駆除を決断。

未知の変異を見せる怪異に対し、前衛魔法少女の越谷とカナを支える、マジルミエのエンジニア・二子山の超スピードのスクラッチ魔法開発が功を奏するかに見えたその時…

もーなんつーか完全にSI(システム開発)業界のお仕事「なろう展開」を魔法少女に換骨奪胎した展開ですが、スポットが当たった凄腕エンジニアながら人見知りコミュ症の二子山が、即興でチームを作って人を使って覚醒する胸熱展開。

『株式会社マジルミエ』3巻より(岩田雪花/青木裕/集英社)

魔法少女業界が抱える大きな課題、重本社長とライバル大手社長の過去の因縁、株式会社マジルミエの特異性と、作品全体の縦軸が仄見えてきた3巻。

狂言回しこそ主人公ヒロインのカナですが、今んとこストーリーを引っ張ってんのは社長と、彼が抱える謎。

「そもそも怪異とはなんなのか」についてもまだあんま説明されてなくって、「やっつけたー!よかったー!」で済ましていい存在なのかイマイチわかんないですよね。

中身人間だったりしてね、とは思わないけど、展示会の壇上デモンストレーションで駆除されるための囚われの怪異の扱いとか、割りと残酷というか非人道的なな気もしますね。

巻末書き下ろしでミヤコ堂のカリスマビューティ魔法少女・葵さんのプライベート編。

『株式会社マジルミエ』3巻より(岩田雪花/青木裕/集英社)

ただの日常夜ふかしあるある漫画やんけw

可愛い。眼福。

 

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