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#きみが女神ならいいのに 1巻 評論(ネタバレ注意)

作者の前作、『メイドの岸さん』が面白かったので。

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学園祭に合わせて女子生徒の人気投票『女神総選挙』が実施される、国内最多の生徒数を誇る白銀高校。

『きみが女神ならいいのに』1巻より(柏木香乃/講談社)

高IQを誇る三ツ谷(♂)は、昨年の学園祭で意を決し幼馴染のハイスペ美少女・つぐみに告白しようと呼び出したものの、空振って告白すらさせてもらえなかった苦い過去があった。

呼び出しに現れなかった裏で女神に選ばれていたつぐみにも総選挙にも屈折した思いを抱え、

『きみが女神ならいいのに』1巻より(柏木香乃/講談社)

再びやってきた学園祭・女神総選挙にひとりシラケムードの三ツ谷に対し、クラスメイトの引っ込み思案な地味女子・うずらはその頭脳を見込んで「自分を女神総選挙で勝たせて欲しい」と依頼する。

かくして、つぐみを見返すという不純な動機のため、存在を知りもしなかった地味女子の総選挙に向けたプロデュースが始まった。

という、学園の総選挙を舞台にした、三角関係ラブコメ、もしかしたらハーレムラブコメ。


前作のヒロインが無愛想・無表情キャラだったこともあって、面白くはありながらも「この作者、他の表情を描けるのかなw」って思わないでもなかったですけど、本作を見たらヒロイン表情豊かで可愛らしい。

思考が読めないミステリアスなハイスペ美少女・つぐみと、プロデュースしてイメチェンしたら見違えた系・うずらの、

『きみが女神ならいいのに』1巻より(柏木香乃/講談社)

三角関係ダブルヒロイン。

1巻後半でその他のライバルに当たるギャルのサブヒロインが話を引っ張ったりと、ハーレム系に派生していきそうな感じなんかな。

主人公の本命は現時点ではハイスペ女子のつぐみですけど、1巻表紙は健気女子のうずらです。

「ラブコメのお約束」では1巻表紙のヒロインと結ばれるパターンがほとんどですけど、どうなりますやら。


主に大学ですか、学園祭の「ミスコン」ってコンプラ的にだいぶ下火の、言ったら時代的に「古い設定」なんですけど、舞台設定で無茶をしがちなラブコメ界隈にあって比較的リアリティのある(あった)初期設定。

「総選挙(ミスコン)」に集中的に無理の罪を被せたせいで、総選挙の作戦参謀として他の候補者(美少女)に絡まれる流れもスムーズ。

『きみが女神ならいいのに』1巻より(柏木香乃/講談社)

あと、世間的に「ミスコン」の概念の古さを「総選挙」って言葉の言い換えで誤魔化されてるところありますけど、この漫画は「総選挙=ミスコン」ってはっきり言っちゃっててちょっと笑ってしまったw

ラブコメの魅力は極端な話、ヒロインのキャラとエピソードの回しと感情描写次第で、初期設定は「まあ…」みたいなとこありますね。

作者の前作も「富豪の坊ちゃんとメイドさん」という奇をてらわない設定で普通に面白かったですし、もっと無茶したアホみたいな設定でヒットしたラブコメ作品はいっぱいありますし。

 

「好きな漫画」「面白い漫画」だの「好きな女の子」「魅力的な女の子」だのというのはパーソナルなものであって、投票で決めるようなもんじゃねえ。

という感じで、自分あんま「総選挙(ミスコン)」っていけ好かなくて全然好きじゃないんですけど、作者の特権は世界観設定をぶっ壊せるところでもあるので、個人的にあんま気に入らない総選挙という舞台自体を、

『きみが女神ならいいのに』1巻より(柏木香乃/講談社)

メチャクチャにぶっ壊して踏み台にするぐらいのラブコメになってくんねえかな、と、わけのわからないいい迷惑な期待の仕方を。

 

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