
17歳の時以来、昏睡状態だった叔父が17年ぶり目覚め「異世界に行ってた」と自称。
半信半疑の甥(主人公)の目の前で魔法を使って見せた。
回想シーン(魔法映像再生)の中の叔父さんは、オークと勘違いされ迫害されながらも異世界で度々世界を救う活躍をし、そして美少女たちと恋愛フラグを立てまくるも、ツンデレをただの嫌がらせだと思ってフラグをベッキベキにへし折りまくりだった。

『異世界おじさん』8巻より(殆ど死んでいる/KADOKAWA)
異世界もののお約束をひっくり返してすれちがいギャグに、ハイコンテクストな「逆・転生もの」とでも呼ぶべきギャグコメディ。
相変わらずおじさんの過去回想の中で、英雄的な冒険譚と、トンチンカンなハーレムラブコメは続く、という展開。
作中、34歳のおじさんの、まだ20歳頃の回想やってるぐらいの進捗。
一緒に暮らす叔父さんと甥のコンビで、叔父さんの魔法を活用して動画配信者として食いぶちを稼いだりSEGAを語ったり日常パートと、叔父さんの異世界時代を甥やその彼女未満に映像魔法で見せながらの回想パート、をバランスよく(?)一冊に収める、という構成が定着しつつありますね。

『異世界おじさん』8巻より(殆ど死んでいる/KADOKAWA)
日常パートはSEGAの話みたいなイチかバチかな面があってユルいんですが、回想パートは冒険エピソードの起承転結があるのに一か八かな面があって結局ユルいという。
日常と回想のパートはそれぞれ、異世界に行って帰ってきて現世から浮いてる叔父さんの「逆異世界パート」と「異世界パート」。
今回、「無駄な激戦を勝利した」というエピソードを通じたギャグとしての大オチぶっちゃけスベってんですけど、

『異世界おじさん』8巻より(殆ど死んでいる/KADOKAWA)
スベった原因がツンデレエルフとの連携や絆など「バディもの」「ラブコメ」の面で読んでて情緒的な撮れ高が高すぎてそれが邪魔したというか「スベってよかったね」「むしろスベった方がよかったよね」という複雑な感想にw
日常パートがユルいまま、回想パートもラブコメ的にすれ違いコメディも薄めに順調で、イチかバチかで大筋ではスベって、インパクトのある爆笑しどころがなくてAmazonのレビューも当初は辛口のレビューが並んだ巻ですけど、もともとイチかバチかな漫画だしこの漫画はこれでいんじゃねえかなと思います。
自分はこの巻も好きみたいです。

『異世界おじさん』8巻より(殆ど死んでいる/KADOKAWA)
ツンデレエルフがおじさんとイチャイチャできて幸せそうなのでいいじゃん、という、ラブコメ好き故の甘い評価の自覚もあります。
おじさんは異世界でも、帰ってきた現世でも、結局社会に馴染めないアウトサイダーなままなんですけど、

『異世界おじさん』8巻より(殆ど死んでいる/KADOKAWA)
読んでて「おじさんもエルフも幸せに、できれば一緒に幸せになって欲しい」という、ギャグコメ漫画らしからぬ情が湧いちゃったなーと。
最期どーなるんでしょね、この漫画。
aqm.hatenablog.jp