元ヤンキーな青春を送り、SNSで漫画クラスタに入り浸る漫画好きの真白悠（♀）は中小企業の虹原印刷（株）に就職。
企画デザイン課に配属され、印刷物のデザイン、データ作成・出力、校正を担当。担当する仕事は選挙のチラシからエロ同人誌までなんでもあり。
『刷ったもんだ！』7巻より（染谷みのる／講談社）
という印刷会社のお仕事日常漫画。
取材もしてんでしょうけど、1巻巻末の「Special Thanks」に「元勤め先の皆さま」とあり、作者が経験者なんですね。「NEW GAME!」と同じパターン。
人の生き死にに関わらない、世界も救わない、地味で実直ですけど、ウェルメイドなお仕事もの。
『刷ったもんだ！』7巻より（染谷みのる／講談社）
こなれてきたと言うか、虹原印刷の人間関係も巻を重ねてキャラに愛着も湧いてきて、読んでてどんどん楽しくなってきましたね。
なんか『サラリーマン金太郎』みたいなエピもありつつ、今巻も仕事に悩める新入社員の良きお手本となる先輩社員の「良い話」かと思ったら、
『刷ったもんだ！』7巻より（染谷みのる／講談社）
ただの変人というか変態だったのであんま真似できない、みたいな展開の緩急が良いです。
ヒロインがオタで元ヤンな三白眼べらんめえ女ということもあって、ラブコメ・恋愛要素がありつつも「KAWAII」に欠けるキライがありましたが、橙野さんにほのかちゃんと、なんか可愛い女の子の可愛いシーン増えてきたな。男性誌だし、せっかく可愛い女の子描けるんだし、ええこっちゃ。
『刷ったもんだ！』7巻より（染谷みのる／講談社）
と「KAWAII」枠からは置いてけぼりのヒロインの真白ですが、なかなか進展しない黒瀬くんとの淡いロマンスの「ハードルのイメージ」が先に具体的な形を持ち始めました。
特に恋愛もので恋愛要素の「ハードルのイメージ」、形や高さや時期が具体化するときというのは、作者がその「乗り越え方」をセットでイメージできた時です。
ちなみに自分は真白と黒瀬くんの淡い恋がバッドエンドに終わるなんてこれっぽっちも思っていませんが、真白が黒瀬くんとラブラブイチャコラしてる姿もこれっぽっちも想像できません。
真白と黒瀬くんの関係はこの作品の唯一と言ってもいいハードルなので、この作品が読めるのももうそんなに長くないのかもしれません。
『刷ったもんだ！』7巻より（染谷みのる／講談社）
印刷会社のお仕事日常もので、ぜひ二桁巻数に乗って欲しい。
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