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#君は放課後インソムニア 10巻 評論(ネタバレ注意)

進学高の1年生、不眠症に悩む少年と不眠症に悩む少女が、昼寝場所にしようとした学校の天文台で出会うボーイミーツガール。

夏休みに二人で星空撮影旅行しまして、付き合い出しまして、その代わり二人の保護者、特に病気を抱えるヒロインの両親の強いお叱りを受けまして、などなどありつつ、二人の高一の冬。

『君は放課後インソムニア』10巻より(オジロマコト/小学館)

ラブコメっつより青春恋愛日常もの。

まるで美化された過去の思い出であるかのようにキレイすぎるというか、ピュア度高めで、ヨゴレのおっさんが読むと少々「目が〜!目が〜!」ってなりげ。

学校を欠席しがちなヒロインにプリントを届けに行きつつお見舞いするなど、ゆる〜っと両家公認気配。

作者の過去作を見ても、物語として劇的な展開が度々起こったり「伏線→回収」の鮮やかさで売る作風ではなく、日常エピソードの積み重ね、可愛らしく他愛なくちょっとロマンチックな思い出の積み重ねで読者の情緒ポイントを貯めていくスタイル。

『君は放課後インソムニア』10巻より(オジロマコト/小学館)

この先生は一体なにを言っているの?

「この主人公の良いところは?」「このヒロインの魅力は一言で言うと?」

と問われて、「こうだ!」って端的に答え難いんですけど、にも関わらずいつのまにか主人公二人に思い入れ・感情移入たっぷりにさせられている、という。

巻数でいうと、『富士山さん』全8巻、『知恩さん』全9巻、『カテキン』全10巻を既に超えて、今巻11巻で作者の最長作品に。

『君は放課後インソムニア』10巻より(オジロマコト/小学館)

まだ15歳のピュアな二人の甘酸っぱく美しい日常をずっと読んでいたくありつつも、相変わらずヒロインの病気が作品全体に重たく影を落とし、読者にストレスも与え続けている作品。主人公二人に思い入れが深いほど、読んでてジワジワと精神的にダメージが入り続ける、ちょっと意地悪な作りとも言えます。

カメラも、「フラグの季語」みたいなとこもあるからねえ…

『君は放課後インソムニア』10巻より(オジロマコト/小学館)

ちょっと「作者はいいよな、結末を知ってて」と思ったりもします。

 

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