AQM

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#あかね噺 3巻 評論(ネタバレ注意)

前巻の感想で

どなたかがどこかでコメント書いてましたが、ポスト『アクタージュ』感もあり。

むしろそのオリジナルの『ガラスの仮面』感かな。

ヒロインの快進撃で解説役が白目で「恐ろしい子…!」って言いそう感。

とか思ってたら、

『あかね噺』3巻より(末永裕樹/馬上鷹将/集英社)

今巻のおまけ漫画で作者自らパロっててワロタ。

他、今巻中のエピソードタイトルに、同じく一般・初心者に難解なジャンルがテーマながら広く楽しく読まれた『ヒカルの碁』のオマージュ・パロディも。

浅草の阿良川一門の落語家(二ツ目)阿良川志ん太の娘、小学生・朱音(あかね)は父親の落語を誇りに思い憧れていた。

朱音も応援する父親の真打昇進試験、しかしその顛末は予想だにしないものだった。

内密かつ非公認に、一門ナンバー2の落語家・阿良川志ぐまに父に倣って師事して6年、高校生となった朱音は父親の意志と夢を継ぐべく、正式に志ぐまに弟子入りし阿良川一門に入門。

『あかね噺』3巻より(末永裕樹/馬上鷹将/集英社)

ニュアンス的には「左ジャブ一本で」の方がしっくりくるような気がせんでもない。

父の叶わなかった夢、真打を目指す朱音の落語家人生が始まった。

という、落語をモチーフにした成長譚の青春譚のサクセスストーリー。

週刊少年ジャンプ本誌連載ながらモチーフが落語という変わり種ですが、まあ「なにやってもジャンプ」というか「落語やってもジャンプ」というか。

ジジババイメージが強い伝統芸能の世界の中心で元気で可愛いJKが主人公、というのもギャップがありつついかにも今どきでキャッチーで、世代間コミュニケーションの楽しみや「男社会の中の女」という切り口にも派生できそうで、見た目の印象以上に拡張性が高い作品だな、と。

『あかね噺』3巻より(末永裕樹/馬上鷹将/集英社)

因縁の相手・落語会トップの阿良川一生が主催する、学生アマチュア落語大会編。

正式入門前の内弟子ながらプロの身内がアマチュアの大会に出る。師匠の阿良川志ぐまがそれを許す代わりにあかねに出した条件は「寿限無」で勝つことだった。

古典を現代ナイズする改作落語の創意工夫が持ち味で大会2連覇中の大学落語王者、美貌と声望を背景に高い表現力が魅力の人気声優、の優勝候補二人が大会におけるあかねのライバル、もといかませ犬に。

『あかね噺』3巻より(末永裕樹/馬上鷹将/集英社)

我々落語初心者向けに落語の価値の表層をわかりやすく読者に提示するポジション。

メタで見ると阿良川一生からの講評はお世辞コメント、あかねに至っては眼中にすら入っておらず、メタ的にはそもそも落語のプロを志向してない時点で主人公のライバルとして格落ち感が否めず、焦点はあかねが予選・本戦で二度「寿限無」を演じる上での作戦と、能力の発露がどう描かれるか、というところ。

『あかね噺』3巻より(末永裕樹/馬上鷹将/集英社)

表層的な描写に留まったかませ犬2人を踏み台に、落語に詳しくなくても誰でも知ってる有名演目「寿限無」を通じて落語の深淵を垣間見せるエピソード。

連載前の構想段階から温めてた会心の展開なんだろうと思います。

『あかね噺』3巻より(末永裕樹/馬上鷹将/集英社)

あかね、恐ろしい子…!

阿良川一門の第一人者の一生と、一生に弟子を破門にされたNo2の志ぐまの、同門トップ同士の確執の機微がまだよくわかんないんですが匂わせが始まって、そっちも気になりつつ、気になる大会の結果発表は次巻に続く。

 

 

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