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#かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 27巻 評論(ネタバレ注意)

レギュラー陣総出による2冊連結であろう表紙が示すとおり、次巻28巻で完結が予告されています。

「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」27巻より(赤坂アカ/集英社)

名門の子女が集う名門学園の生徒会長・白銀御行と副会長・四宮かぐや。プライド高いエリート同士、美男美女同士の「告白した方が負け」。稀代のラブコメメーカーによる恋愛マウント駆け引きバトル。

白銀とかぐやが3年生になり、飛び級でスタンフォード大への進学を決めた白銀に残された高校生活は残りわずか。

四宮家と四条家の抗争がついに勃発・表面化、幽閉同然にかぐやは登校しなくなり、ついには白銀への別れをすら切り出し、高校生たちの手の届かないところで事態は進んでいく。

名門校の生徒会長とは言え一介の高校生に過ぎない白銀は、それでもまだ、かぐやを救い出すことを諦めず、秀知院学園生徒会 vs かぐやを呪縛する四宮家、クライマックス&決着。

を受けての今巻。

「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」27巻より(赤坂アカ/集英社)

ということで、27巻〜最終28巻は作品の山場・クライマックスを越えた、エピローグモード。

言いたいことは山ほどありますが、まだ終わってないので作品全体の話は次巻の感想に置いておくとして、とりあえず今巻はシリアスモードが終わったというか、作品全体が「四宮家」の呪縛・重圧・澱・ストレスから解放されて、霧が晴れたようにお気楽で楽しくて軽妙で珍妙なラブコメ作品だった頃の『かぐや様』に戻ったような巻。

「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」27巻より(赤坂アカ/集英社)

珍妙だけにな。

ちょっとだけ、1冊早く作品を自分なりに総括すると、この作品は作品タイトルのとおり

「告白するリスクを相手に押し付けたい」

「性格の悪い女の子(と性格の悪い男の子)」

のラブコメとして始まった作品でした。

巻を重ねるにつれてヒロインageのために「ヒロインの性格の悪さ」の原因をすべて「四宮家の環境」に押し付けた結果、「四宮家」が作者の手に負えないぐらい怪物化してしまったように見えます。

前巻までで曲がりなりにも「怪物退治」が遂げられたので、今巻どうなったかというと、「ヒロインの性格の悪さ」が帰ってきましたwww

「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」27巻より(赤坂アカ/集英社)

今巻、かぐやの性格の悪さ、マウントをとって嫌味を言ったり、心中で他人を悪様に罵ったりするシーンがとても多いです。

原点回帰というか、かぐやの表層的な基本ポジションはもともと

「権力ズレして選民思想で傲慢で自己中心的な性格の悪い女の子」

で、だからこそ内心の初心・小心・純真・臆病・不器用などの要素が可愛らしい、「ギャップ萌え」が魅力だったキャラなんだなと思います。

「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」27巻より(赤坂アカ/集英社)

人の悪口のモノローグ、活き活きしてんなw

一連の四宮家絡みのエピソードで被害者ポジションにいたのは、やっぱちょっとミスマッチというか、持ち味が活きないポジションだった気がします。

もうエピローグモードに入って、一般的な「最終巻の一歩手前」らしい熱さや高揚感は微塵もなく、総じて「作者入魂の」とは形容し難い軽いエピソード群の巻ですけど、1巻の頃のように軽くて楽しく可愛らしい巻だな、と。

言いたいことはいろいろあるんですけど、それは次巻に置いといて、それでも「かぐや様やっぱ面白れーな」と思った、本来の「らしい」巻でした。

 

連載も本日時点でこういう感じ。

「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」27巻より(赤坂アカ/集英社)

さてさて、さてさて。さて。

 

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