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#BLUE GIANT EXPLORER 7巻 評論(ネタバレ注意)

若き日本人ジャズ・サックス・プレイヤー宮本大のサクセス・ストーリー。

日本を舞台にした「BLUE GIANT」、ヨーロッパを舞台にした「BLUE GIANT SUPREME」に続いて第三部に相当。今度の舞台はジャズの本場、アメリカ。

ゼロからスタート、偏屈で強力なメンバーを集めて一世を風靡するバンドに…という展開もヨーロッパ編でやりきったので、アメリカ編は趣向を変えてダイが中古のホンダでアメリカ中の都市をソロで巡りバンドメンバーは現地調達する、というロードムービー風。

『BLUE GIANT EXPLORER』7巻(石塚真一/小学館)

西海岸を離れメキシコの国境の街でメキシコ人ピアノプレイヤー・アントニオを2人目の固定メンバーに迎え、中古のホンダでアリゾナ砂漠を横断してニューメキシコのアルバカーキ、テキサス州ダラス、ヒューストンを経て、今巻でついにジャズの聖地・ニューオーリンズへ。

前巻以来、過去にヒューストンからニューオーリンズ、ニューヨークに進出し一流プレイヤーの階段を登る途中で家庭の事情でUターンした、巨漢黒人ドラマー・ゾットをバンドメンバーにスカウト。

『BLUE GIANT EXPLORER』7巻(石塚真一/小学館)

なんつかアレですよね。『ワンピース』のルフィの勧誘ですよねコレw

とか思ってたら、ゴーイングメリー号乗り換えイベントみたいな展開も発生してワロタ。

ジャズが発祥した聖地・ニューオーリンズへようやく到着、ゾットの「昔取った杵柄」も活用して、こないだまでの下積み貧乏旅行から一気に「ブレイク直前」感が増してきました。

『BLUE GIANT EXPLORER』7巻(石塚真一/小学館)

アントニオの進路問題、ゾットの現代ジャズ観、あと4人目のメンバーとしてベースを迎えたら、一気にブレイクしてニューヨークまで行っちゃう予感。

アメリカ横断すごろく的にも、過去2編の完結と同じく10巻前後でニューヨークに到着しそうな感じ。

ダイとゾットのジャズ観の齟齬は、トレンド重視のゾットの方がたぶん現実的なんですけど、ダイはそもそも他人が創ったトレンドを追うタイプじゃないのと、漫画で2022年のジャズのトレンドを描いてもどうせ数年で陳腐化するのでダイにトレンドを創らせちゃう方が漫画としてのリアリティラインが上がる、という両面で、ゾットもダイのジャズ観に転ぶしかない感じはします。

『BLUE GIANT EXPLORER』7巻(石塚真一/小学館)

自分はジャズのライブビデオを全然観ないんですけど、今巻のライブシーンを読んでても相変わらず作者の取材とイマジネーションの質と量が膨大であることは伝わってきます。

が、特に根拠はないんですけど、「作者の頭の中で鳴っている音が聴こえる漫画」を試行錯誤の末に諦めた代わりに、作者の頭の中で演ってるライブの「音以外」の全部をより精緻に描く方向に、『EXPLORER』のどこかでシフトしたような気がします。今巻を読んでてなんとなく。

『BLUE GIANT EXPLORER』7巻(石塚真一/小学館)

アニメ化が決まって、あとがきのとおり音響収録などにも立ち会って、「音はそっちで聴ける」ことになった影響とかが作者にあるのか、プラシーボ効果の影響が読んでる自分にあるのか。

 

 

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