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#それでも歩は寄せてくる 13巻 評論(ネタバレ注意)

表紙がビキニの水着姿を横のアングルから描くという、ちょっとセクシーで肌色率も高い絵なので、これアドセンス大丈夫かな。ちょっと心配w

2人しかいない将棋部の、おさげデコ部長・八乙女うるし(高2♀)と、好き丸出しのくせに頑として認めない無表情部員・田中歩(高1♂)の、告白前の高校生男女が好き丸出しで部室で将棋指しながら甘酸っぱくイチャイチャしてる、可愛いは正義のショートラブコメ。

『それでも歩は寄せてくる』13巻より(山本崇一朗/講談社)

歩は一応、将棋でうるしに勝ったら告白しようと思ってるみたいです。

日常ラブコメですけど時間が流れる系で、うるしが3年生に、歩が2年生に。歩に中学時代以来の片想いをする新1年生の後輩ちゃんも入部。

仲間が増えた将棋部の夏、海辺のコテージで夏合宿、そして大会も終わり、夏休みの後半戦から2学期の途中まで。

『それでも歩は寄せてくる』13巻より(山本崇一朗/講談社)

うるしは高校3年生の夏ということで受験勉強で将棋部は引退…ではないですけど身を引き気味に。とはいえヒロインで出番が多いので、あんま読んでてそんな実感ないですけど。

夏祭り、プール、ついでに停電でエレベーターに閉じ込められた二人、などラブコメの夏の定番イベントですけど、奇を衒わずに可愛い女の子と直球のセリフで甘酸っぱく押していくスタイル。

マスターランクの絵力(えぢから)とシンプルで力強いセリフ力(せりふぢから)を活かした、王道の正攻法で真正面から描くラブコメとでもいうか。

『それでも歩は寄せてくる』13巻より(山本崇一朗/講談社)

歩とうるし、どちらもエピソードによって一人称で内心が描かれるので、読者からすると両片想いなのは丸見えなんですけど、今巻はうるし・凛ちゃん共にセリフもド直球。

両想いが成就するには、歩の「うるしに将棋で勝って告白」という自分との約束が唯一の障害になる、という珍しい展開。歩の棋力がアップしてるのは描写からして間違いないんですけど、ペース的にうるしの卒業までに追いつけるかな?というところ。

あんま先々の展開やシーンを予想するの、作家からしたら邪魔だろうなと思うのであんま書かないですけど、歩がうるしに勝つシチュエーション、あれこれ想像してしまいますね。

『それでも歩は寄せてくる』13巻より(山本崇一朗/講談社)

もうひとつの「ラブコメにおける障害」、三角関係の凛ちゃんなんですけど、ズルくなりたいけどズルくできない、いい子だなこの子。それだけに…という感じはします。

でもたとえ三角関係の恋に破れても、歩ともうるしとも良い友人関係が続きそう人間性というか、葛藤とその超克、報われないかもしれない恋にそれでも真剣に誠実に臨む態度、この作品でもっとも美しく内心が描写されているキャラのように思います。

恋愛・ラブコメもので失恋するであろうサブヒロインの描かれ方はいろんなパターンが有りますが、こういう、失恋を描くことから逃げなさそうなサブヒロインの描写は、自分はとても好きです。失恋だって、ちゃんと青春の大事な要素の一つだと思うんですよね。

『それでも歩は寄せてくる』13巻より(山本崇一朗/講談社)

まるで人生2周目の人みたいに正しいんだけど、正しいだけに、そういう泣けること言うなよ。

3年生のうるしの二学期なんで当たり前なんですけど、この作品の新エピソードが楽しめるのも「きっと今だけ」で、もうすぐそれが終わる予感がしてしまって、軽めのショートラブコメだったはずの作品なのに、まんまと今から既に少し寂しいですね。

 

 

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