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#アオのハコ 8巻 評論(ネタバレ注意)

週刊少年ジャンプ、本誌連載の青春恋愛漫画。

中高一貫校、バドミントン部の1年のホープ・大喜(♂)と、同じ体育館で練習する女子バスケ部の2年で学校のアイドルで大喜の憧れである千夏先輩(♀)。

部活違い・学年違いながら、早朝自主練で千夏先輩と言葉を交わすようになった大喜が、ある朝自宅で目覚めてリビングに降りると、そこには千夏先輩の姿が!

千夏先輩は親の海外転勤に際してもバスケの夢を諦められず、バスケ部OG同士の母親同士のツテで大喜の家に下宿することになった。

という同居設定の青春恋愛もの。コメディ要素ももちろんありますが、成分比的にラブコメ作品じゃないですね。青春恋愛もの。

『アオのハコ』8巻より(三浦糀/集英社)

千夏先輩のバスケにかける覚悟を知った大喜は、彼女にふさわしい男になるべく、自分もバドミントンでインターハイ出場を目指すことに。

新体操部の期待のホープで大喜の幼馴染で片想い中のサブヒロイン・雛を交えた片想い三角関係。王道のメロさ。

図にするとこうなる。

雛→(好き)→大喜→(好き)→千夏先輩

この図、要る?

『アオのハコ』8巻より(三浦糀/集英社)

インターハイの夏が終わって季節は秋、文化祭編の続き。

「火事と喧嘩は江戸の華」と言いますが、「メイド喫茶と演劇・白雪姫はラブコメ文化祭の華」みたいになってきましたね。

ラブコメいっぱい読んでるので「ネタ的に尺を稼げるイベントありがてえ」ってのは痛いほどわかるんですが、こういうベタイベントを律儀に消化する必要がある作品とも思えないので、意外っちゃ意外でした。

『アオのハコ』8巻より(三浦糀/集英社)

軽音部のライブ中の「ラブコメ主人公・ヒロインの難聴ネタ」も含めて、ちょっと義務感で「ラブコメイベントの実績埋め」やってるみたいにも見えてウケる。

あとは、少年誌の青春ラブコメでは「ピュア」「一途」が求められて、複数ヒロインを出す割りに「二人を同時に本命として好きになる」自覚を「ハッキリ」描写するのはタブー気味なんですけど、今巻少し踏み込んで、「この漫画どーすんだろね」という。

『アオのハコ』8巻より(三浦糀/集英社)

この辺、「二人が好き」のメロドラマ展開は青年誌や少女漫画の恋愛もの・ラブコメではタブー感が薄くてちょいちょい登場して、そして読者から嫌われたり(でも文句言いながら最後まで読んでくれたり)するんですけど、特に週刊少年誌だと読者の好感度がマイナスの主人公だとアンケート順位低下に直結して連載が保たないんですよね。

あともう一つ「メロドラマ要素」として今巻から新キャラで恋愛マスター気取りのおせっかい応援キャラが雛の援軍(?)として登場したんですけど、

『アオのハコ』8巻より(三浦糀/集英社)

尺を伸ばしたり「きっかけ」の事件作りにこの手の「引っ掻き回しキャラ」が便利なのはわかるんですけど、頼まれもしないのに恋愛プロデューサー気取りのキャラって自分の恋愛観で他人同士の恋愛を「あるべき姿」の型に嵌めようとしがちで、思い通りにならないと本人たちにキレがちなんですよね…

ムカつくウザキャラもスパイス程度ならいいんですけど、この他人の恋愛感情に対する支配欲の強い新キャラが、この先あんま幅を効かせるようだったら、この漫画読むのやめます。

早めに可愛げのあるとこ出してくれるといんですけど。

 

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