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#かぐや様を語りたい 8巻 【完】 評論(ネタバレ注意)

「お似合いですわ〜」って言う役のMOBからネームドに出世したマスメディア部のエリカ(尊かぐや派)とかれん(白銀×かぐや主義)の二人を主人公にした「かぐや様」スピンオフ4コマ。

『かぐや様を語りたい』8巻(赤坂アカ/G3井田/集英社)

本編と同じ世界観で裏話的に進行。本編で起こったあれやこれやのエピソードを柱の陰から目撃して妄想を膨らましたり、エリカとかれんの妄想会議に早坂や石上や藤原がゲスト的に招かれて巻き込まれたり、

本編に影響しない範囲で裏設定が勝手に増えていく…と思ったら本編のキャラ解釈に逆輸入されるネタも多数。

『かぐや様を語りたい』8巻(赤坂アカ/G3井田/集英社)

本編の進行に遅れて追随する形ながら、前巻で主人公たちが新学年の3年生に進級するところまで追いつき、更に追いついて、本編と同時に連載完結、本編と同時に最終巻発売。

もうこのスピンオフの創られ方に言及するのも野暮ってもんでしょうかw

自分が4コマ漫画というフォーマットが好きなだけ、という気もしますが、形式の制約が発想や表現を洗練して、自由を与えているようにも見えます。

『かぐや様を語りたい』8巻(赤坂アカ/G3井田/集英社)

やりたい放題な分、エピローグモードの本編を上回るギャグコメ密度、そしてキレ。

憧れのかぐや、憧れの白銀と同じクラスになったエリカとかれん。

夢のような日々はまた、ずっと偶像であったかぐやが自分たちと同じただの人間であり、友だちになれる存在であることを知る日々だった。

『かぐや様を語りたい』8巻(赤坂アカ/G3井田/集英社)

当然、かぐやがいろいろあって「孤高の天才」の座から自ら降りたこともあってのことですが、エリカとかれんが偶像をクラスメイトとして認知して友情と親愛を抱くまでに成長(これ成長か?)する様子が細やかに。最終回になっても失神はしていたけれども。

と、理屈をつけるまでもなく、はっちゃけてて今までで一番面白い巻でした。

なんたって、「不在によって却って存在感を大きく見せつつネタを生み出す」ために封印されてきたかぐやと、アホ2人の直接の絡みが、最終巻にしてようやく解禁みたいなもんですから。

『かぐや様を語りたい』8巻(赤坂アカ/G3井田/集英社)

そして同級生ナマモノ妄想を、本人すら知らずに常に真実に突き刺してきた かれん の眼前で繰り広げられる、かぐやと白銀の公然のイチャコラ。

『銀英伝』でフォークだったかラングだったかレンネンカンプだったか、「偏見と妄執の果てに、しかし真実に辿り着いていた」みたいな記述をぼんやり思い出します。

『かぐや様を語りたい』8巻(赤坂アカ/G3井田/集英社)

ナマモノ同人で小学館漫画賞www

スピンオフ4コマのハードルを激しく上げてしまう、またスピンオフ故に本編読者しか楽しめないのが大変もったいない、キレッキレの最終巻。

『堀さんと宮村くん』方式で、最終話後も回想で連載続ければいいのに。というのは言わない約束か。

面白かった。ありがとうございました。連載、お疲れ様でした。

 

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