

ブラック労働環境気味な会社で働く40代(今巻で45歳に確定)サラリーマンの佐々木。
日々の唯一の癒しは、会社帰りに寄るスーパーの2番レジ担当、清楚で可憐な山田さんの明るい営業スマイルだった。

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』2巻より(地主/スクウェア・エニックス)
山田さん不在で「ファン活」が空振りに終わったある日、喫煙所を探す佐々木を手招きする女。
スーパーの裏の従業員用の喫煙スペースに佐々木を手招きした、後に「田山」という名であることが判明する喫煙者のその女は、「山田さんの同僚」を名乗り、佐々木が山田さんのファンであることも承知だった。

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』2巻より(地主/スクウェア・エニックス)
かくして、スーパーの2番レジで清楚で可憐な山田さんの笑顔に癒される佐々木の日常に、その後スーパーの喫煙所でワイルドでジト目で「んははは」と笑う"はすっぱ"な田山さんと雑談するルーチンが加わった。
山田さんと田山さんが同一人物だとも気づかず…
という大人の?未満恋愛ラブコメ。
本作で正体を隠しているヒロイン、山田=田山は「すぐバレるだろう」「ちょっとからかおう」と必然性なく軽い動機で正体を隠すことを始めたものの、佐々木が延々気づかないので言い出すタイミングを失って、
「佐々木が未満恋愛で2人の女性に好意を持っているような状態」
「山田=田山のペルソナ間でヤキモチを焼く状態」
など、必然性のない軽い土台の上に、一人二役が織りなす三角関係めいた人間関係の機微やちょっとしたドラマが始まってしまっています。

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』2巻より(地主/スクウェア・エニックス)
「山田=田山」の役割分担って、いわゆるSNSの「裏垢」そのものですよねコレ。
バレても世界は滅びないけど、今の居心地の良い関係が壊れるのは怖いよね、っていう。
前巻買った時点ではこの作品Twitterでやってたこと知りませんで、コミック発売予定カレンダーでタイトル見て「お、タバコ絡みのラブコメか」と決め打ちタイトル買いだったんですが、発売の1週間後ぐらいに
natalie.mu
「次にくるマンガ大賞」の表彰式をWEBライブで見てたらWEB部門の1位獲ってて、「早っ!」ってちょっとびっくりしました。
「次にくる〜」のWEB部門って単行本発売前からノミネート・投票されるんですねアレ。
aqm.hatenablog.jp
ニコニコ動画会員ユーザの投票(46万票とか草)らしいけど、お前ら1巻も出てない漫画をよく知ってんな。びっくりするわ。俺も会員ユーザだけど。
他、昨日発表された「マンガ大賞」の最終選考ノミネートと、
natalie.mu
あと「2022年に読んで面白かった漫画 53選 - #AQM」にも選出!おめでとうございます!
aqm.hatenablog.jp
ってそんなんはいいんですよ、2巻の話です。
もともと建て付けが小品で「キャラ萌え」というより「関係性萌え」で受け入れられている漫画の、しかもまだ2巻ということもあって、1巻からはストーリーという意味ではほとんど進展してないです。

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』2巻より(地主/スクウェア・エニックス)
ツンツンイチャイチャ日常エピソードを積み重ねているところ、という感じ。
どうなんでしょうね。
自分はずっとこういう可愛い関係を見守って楽しんでいたい派なので、「まだ当分は山あり谷ありとか曇らせ展開とか要らないな〜」って感じで満足度高い2巻でしたけど。
ラブコメをマグロで喩えたらこんな「好きになりかけ」なんか大トロですよ。どういうこと。

『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』2巻より(地主/スクウェア・エニックス)
なんで犬と三角関係になってんだよw
今巻冒頭で佐々木の年齢が45歳で確定したので、24歳の山田山とは21歳差。
わかりやすく説明するためのジャンルとしては「未満恋愛ラブコメ」に分類されるべきなんでしょうけど、描写を見ると作者はまだ2人の関係にラベルを貼りたくないのかな、という感じもします。
作中で季節が移り変わっていくんですけど、これ「サザエさん時空」なのか、時間が流れていく系なのか、どっちなんでしょうね。
願望的には、大トロもっと食わせろ的に延々と読んでいたい系なんですけども。
aqm.hatenablog.jp
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