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#シメジ シミュレーション 4巻 評論(ネタバレ注意)

中一で学校が嫌になり、科学者?の姉と二人暮らしの団地の押入れに引きこもっていたら頭からシメジが生えてきた月島しじまは、一念発起して押入れを出て受験して高校に通うことにした。

高校では読書をして他人との交わりを持たないつもりだったが、頭に目玉焼きを乗せたメガネっ子の山下まじめがグイグイくるので、友達になる。

『シメジ シミュレーション』4巻より(つくみず/KADOKAWA)

2人は穴掘り部に入部したり、美術の授業を受けたり、ファミレスに行ったり、頭のシメジが増えたり、学校をサボったり、お泊まり会をしたり、姉の作ったおかしな機械でおかしな夢を見たりする。

『少女終末旅行』のつくみず先生の現作は、女子高生2人の少し不思議なんかファンタジーなダルくてユルくてアンニュイな不条理日常4コマ。

4コマ漫画ですが、半分ギャグコメディ、半分は詩という感じ。

『シメジ シミュレーション』4巻より(つくみず/KADOKAWA)

『少女終末旅行』の主人公、チトとユーリも意味があるのかないのか、毎巻必ずカメオ出演。

前巻で、何かの研究者であるところの、しじまの姉によって、世界は人が思念したように形を変える世界に改変されてしまった。

『シメジ シミュレーション』4巻より(つくみず/KADOKAWA)

そして人によって思念の形が違うため、人々の思念によって世界はめちゃくちゃになった。

しかし、意外と誰も困っていなかったので、めちゃくちゃになった世界で人々も、しじまとまじめも、それなりに順応して暮らしていた…

「シュール」と「理不尽」って意味一緒でしたっけ? とにかく、そういう感じ。

『シメジ シミュレーション』4巻より(つくみず/KADOKAWA)

この漫画が語っていること、作者の意図を、「私は理解できる」っつったら自分が言ったらそれは嘘なんですけど、サイケデリックで哲学的な夢の中のような世界。

雑に喩えれば、「人類補完計画」でみんなLCLだかLSDだかで一つに溶け合う途中、その過程を見せられているような気分になりますが、雑な喩えが先入観になって理解を阻む例かもしれません。

『シメジ シミュレーション』4巻より(つくみず/KADOKAWA)

今巻の終盤や、1巻以来の展開を俯瞰で見ると、「どうもこの作品、ストーリーがあるっぽい」と今更ながら。

人間の空想の限界?当事者としての空想の支点と対象としての力点?当事者性を失うことによる?カオスのインフレ?

こういうときは原点というか、先々のタイトル回収を見越してタイトルに回帰して…「シメジ」の(?)「シミュレーション」でしょ。ヒロイン・シメジの、計算やシステムによる模擬…「計算」って確か今巻で複数回出てきたけど…うーん…?

自分が「意味の迷路」に勝手にハマってるだけのような気も…

 

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