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#クマ撃ちの女 10巻 評論(ネタバレ注意)

熊狙いのライフル持ち*1女性猟師・チアキ(31)に密着取材を申し込むフリーライター・伊藤。2人は熊を求めて日々、北海道の山中に入る。

伊藤が取材を始めて2回目の猟期。伊藤も体を鍛え知識を蓄え、チアキの足を引っ張る事なくむしろアシストさえしながら同行取材できるように。

チアキにとっての因縁・宿命のヒグマ個体「牙欠け」との対峙を通じて、伊藤はチアキの「牙欠け」への妄執と狂気、人間性の欠如に疑問を持ち離れていく。

『クマ撃ちの女』10巻より(安島薮太/新潮社)

この漫画に百合とか期待してねえから!w

そんな千秋にキラキラ系猟師ワナビーの女子大生が押しかけ弟子入り、だがしかし…

『クマ撃ちの女』10巻より(安島薮太/新潮社)

このコマ情報量多いなw

危険で金にならないクマ撃ちにこだわるチアキが、女性であることを除いても猟師の中で異端なのはわかってきましたが、作品の縦軸は

・伊藤との復縁、関係の進展?

・「牙欠け」との決着

かなと思いますが、今巻はその幕間で、意識高い系初心者の女子大生猟師に頼み込まれてのシカ撃ちレクチャー。

『クマ撃ちの女』10巻より(安島薮太/新潮社)

伊藤とクマ撃ってると描きにくい、チアキによるシカ撃ちの実践的で脱法的なノウハウが語られます。

スポーツ漫画やバトル漫画で試合回・バトル回より幕間回の方が情報量が多かったり、主人公が重要なヒントを得たり、というのはよくある話なので、まずは伊藤との復縁に向けた気づきが描かれる流れなんだろうと思います。

『クマ撃ちの女』10巻より(安島薮太/新潮社)

女子大生がチアキに対して感じる隔意は、伊藤が感じた隔意と通じるものがある!いや、ない!

それだけに留まらず、女子大生に加えて新キャラも登場して、一人ではできないが集団には入りにくい、「狩猟と女」が抱える問題点を浮き彫りにしようという試みがされています。

硬い言い方をすれば、「狩猟業界のフェミニズム」の話。

『クマ撃ちの女』10巻より(安島薮太/新潮社)

切り込むよなあ。

思考実験なのか、現実の問題なのか、自分はよくわかんないですけど。

 

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*1:猟銃免許取得後、散弾銃所持10年以上が必要