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#怪獣8号 9巻 評論(ネタバレ注意)

現代、ただし頻繁に怪獣に襲来され「怪獣大国」となった日本。「防衛隊」が組織され、襲来の都度、怪獣を討伐することで社会が保たれていた。

かつての防衛隊志望に挫折した怪獣死体処理清掃業者・日比野カフカ(33♂)は、防衛隊志望の後輩に触発され再び入隊試験受験を決意するものの、いろいろあって人間サイズの怪獣に変身する体質となってしまう。

『怪獣8号』9巻より(松本直也/集英社)

目撃情報から防衛隊に「怪獣8号」として指名手配されたまま、怪獣変身体質を隠したカフカの防衛隊入隊受験が始まった。

という、「SF」でいんだよねこれ。「バトル」もつけていいんかしら。という王道変身ヒーローもの。

作品コンセプトとして他とは毛色の違う「ディザスター(災害)もの」として期待した向きには、結局「普通のジャンプバトルもの」に落ち着いちゃったな、ってのはあります。

『怪獣8号』9巻より(松本直也/集英社)

防衛隊隊員でありながら密かに怪獣8号に変身して怪獣を倒す、「ザ・変身ヒーロー」な展開でしたが、既に防衛隊内で「正体バレ」が発生済。

主人公は隊により隔離され処断が検討されたものの、どうにか存在を許され、現在は他の隊員から隔離されたまま幹部による戦力アップと「変身に頼り過ぎない戦い」のための修行モード。

主人公が後ろに下がってる間、仲間の主要メンバーたちもそれぞれ主にネームド怪獣の力を取り込んだ強化が図られて、今巻より新展開。

『怪獣8号』9巻より(松本直也/集英社)

強力な怪獣が同時多数に発生する、「群発災害」編。

展開的には強化された主要メンバーたちのお披露目バトルと、主人公の前線復帰・仲間との合流へ、という流れ。

一時期は「世界観設定」や「血統」による異能力バトル(サイヤ人/スタンド/念能力/悪魔の実)や、修行による身体能力と技術の獲得による生身バトル(リアル路線/時代もの)が隆盛しましたが、ここ数年のバトル漫画は

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悪魔やら怪獣やら妖怪やらの「人外との憑依・融合」によって後天的に強くなって変身して戦う主人公の作品が大ヒットして盛り返してんね。

『怪獣8号』9巻より(松本直也/集英社)

変身ヒーローの王道であり、バリエーションの流行の移ろい、といえばそれまでなんですけど、「力の手に入れ方」の『デビルマン』やら『ウルトラマン』やらへの回帰にも思えて、「なろう系」の隆盛と併せてなんか社会的な背景や文脈があったりするんかね、と勘繰ってしまう。

特に「不景気だったら憑依・融合型」とか「好景気だと鍛錬肉弾型」とかみたいなわかりやすい時代的な法則性もパッと思いつかないし、局所的な流行で偶々なんでしょうけど。

『怪獣8号』9巻より(松本直也/集英社)

なんか、売れてんの、「憑依・融合・変身」、多いな、とw

 

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