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#メイドは恋する蜂谷くん 1巻 評論(ネタバレ注意)

高1の少年・蜂谷くんは、入学式で漫画のように運命的に出会った隣の席の花園さんが好きで、意を決して告白したものの、「婚約者がいるから」とフラれてしまった。

花園さんの婚約者は、爽やかイケメン・人格良好・成績優秀・スポーツ万能・良家の御曹司の五拍子ぞろいと学校内で有名な池貝くんだった。

『メイドは恋する蜂谷くん』1巻より(小森チヒロ/小学館)

花園さんと池貝くんの婚約をぶち壊すため、意を決した蜂谷くんは女装してメイドとして池貝家に潜入し、池貝くんをメロメロにさせることを決意したのだった…

という女装メイド男子ラブコメ。ちょっと狂ってる。

連載誌は少女漫画誌「ちゃおデラックス」です。ちょっと狂ってる。

『メイドは恋する蜂谷くん』1巻より(小森チヒロ/小学館)

と思ったんですが、読む前に壁打ちで20代女性のお友達とこの漫画について話してみたら、「ちゃお」系はたまに女装男子ラブコメやるらしく、『きらきら☆迷宮』という

「ちゃお」系連載作品で「性癖が狂った!」という知人がいるんだそうです。

女装男子ものって「男の娘」という言葉ができる以前からまあ在ったんですけど、それでも『きらきら☆迷宮』は2000年の作品で、「男の娘」ブームに対してだいぶ早いなw っていう。

『メイドは恋する蜂谷くん』1巻より(小森チヒロ/小学館)

「性癖が狂った」という人には自分もちょいちょい遭遇しますけど、「狂わなかった方がよかった?」って訊いてみると、答えは往々にして…というか、自分を見つける過程でちょっと狂ったおかげで人生が豊かになったってことも、まあ往々にしてあるんじゃないかと、他人の人生なんで無責任なことを。

蜂谷くんは萌え萌えメイドとして池貝くんにポンコツアピールしまくるものの、純粋な池貝くん相手に散々滑り倒し、でも徐々に「面白れー女」として認知され始め、蜂谷くん自身もまんざらでもないという。

『メイドは恋する蜂谷くん』1巻より(小森チヒロ/小学館)

本来ヒロインだったはずの花園さんの出番はとても少なく、蜂谷くんをメインヒロインとした「男の娘メイド×美少年ドキドキラブコメ」に。

「最後どうするつもりなんだ」というのは早くも気になりつつも、漫画は可愛かったらなんでもありとか、デジタルとネットのアバターで人間関係におけるネカマ(女装)がやりやすくなってるとか、結末がどうあれ語られるべき話はまあ色々あるんですけど、

『メイドは恋する蜂谷くん』1巻より(小森チヒロ/小学館)

「肉体が精神を規定するように影響を及ぼすのか」というか「ヘテロ少年が美少女の格好をしたら心も女になっていくのか」とか、色々興味深いですよね。

昔ネトゲやってたときも、ゲーム内では美男美女・中の人は男同士の「ネトゲ彼氏・ネトゲ彼女」のカップルとかいたもんなあ。

BL全然くわしくないんですけど、こういうのもBLなんですかね?

『メイドは恋する蜂谷くん』1巻より(小森チヒロ/小学館)

お前、当初の目的どこ行ったw

漫画、ということを考えれば、なんたってタブーや障害を乗り越えていくのが、恋愛エンタメの醍醐味ですし。

1巻、可愛いし面白かったです。

 

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