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#機動戦士Zガンダム Define シャア・アズナブル 赤の分水嶺 19巻 評論(ネタバレ注意)

去年、一度この19巻がAmazonの「発売予定」の棚に載ったんですけど、程なく削除されました。

自分は雑誌「ガンダムA」をチェックしてないので、「あー、とうとう打ち切られたのかな」と思いましたが、そうではなかったようです。

前巻から2年弱ぶりの新刊。

『機動戦士Zガンダム Define シャア・アズナブル 赤の分水嶺』19巻より(北爪宏幸/サンライズ/KADOKAWA)

ファ、髪のびすぎじゃね?w

年末年始にかけて『逆襲のシャア』に関するインタビュー集の同人誌(編・庵野秀明)が復刊されて、本作作者の北爪宏幸氏もインタビューされてます。

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復刊にあたってわざわざ「※2022年現時点の北爪の見解とは異なります」と注釈を入れざるを得なかったぐらい、ちょっとした十字架になっちゃったね、この本。

何回やっても誰が描いても原作アニメどおりに描いてもらえない呪いにかかったZガンダムの4度目のコミカライズ。

『機動戦士Zガンダム Define シャア・アズナブル 赤の分水嶺』19巻より(北爪宏幸/サンライズ/KADOKAWA)

あらすじのみ準拠、TVアニメや劇場版とは完全にパラレルな作品として楽しみましょう。全然観たことないMSやキャラが出てきて活躍しますので原理主義的に読むと脳の血管が切れると思います。逆に「誰も読んだことのないZ」として読むとけっこーワクワクします。あと絵が下手とはまた違うんですけど、漫画の表現は正直そんなに上手くはない。

誰も見たことのないZ、あったかもしれないZ、やりたい放題のZ。

作品の途中から「赤の分水嶺」なるサブタイトルが追加されて、主役がカミーユからシャアに移行したことが示唆されてますが、言うほどシャアが主役ってわけでもねえなコレ…フォウと邂逅するカミーユ、ジャミトフ暗殺を狙うシャア、攻撃隊を指揮するアムロの3人に分散してる感じ。

『機動戦士Zガンダム Define シャア・アズナブル 赤の分水嶺』19巻より(北爪宏幸/サンライズ/KADOKAWA)

前巻に続き、エゥーゴ・カラバ連合による、ティターンズ・キリマンジャロ基地に対する総力戦。TVアニメ版では宇宙から降りたカミーユとシャアがもぬけの殻のキリマンジャロ基地に降下してたまたまフォウ、ジェリドと遭遇する、という重要ながら1〜2話程度の小エピソードが、このコミカライズ版では「何巻かける気だ」とツッコミたくなるくらいガッツリと。

ようやく、ようやく、ようやく、13巻のカイとレコアの潜入から始まったキリマンジャロ基地攻略作戦が今巻19巻で決着。

既刊19冊のうち7冊、1/3以上をこの作戦に費やしました。

アウドムラでキリマンジャロ基地に特攻するハヤト、衛星軌道上・アーガマからの基地撃滅兵器の投下を狙って迎撃のミサイルを避けないブライト、と熱戦、激戦、総力戦。

『機動戦士Zガンダム Define シャア・アズナブル 赤の分水嶺』19巻より(北爪宏幸/サンライズ/KADOKAWA)

そんな激戦をよそにずっとフォウのことだけ考えてたくせに、最後の最後で美味しいところをかっさらうカミーユw

大爆発して火山噴火まで起こるキリマンジャロ山、総戦力の1/3を失ったティターンズ、マグマに飲まれるシャアの赤い零式。

「なんじゃそら」っていう、原作で見たこともないような出来事が次々と起こり、終いには私自身がヤケクソ気味に願っていた、「もうこれ本格的にZガンダムじゃなくなっていくな」という奇跡まで。

『機動戦士Zガンダム Define シャア・アズナブル 赤の分水嶺』19巻より(北爪宏幸/サンライズ/KADOKAWA)

自分も望んでいたことではあった(だって「スパロボ」でカミーユと一緒に戦うフォウが本当に幸せそうだったし)ですけど、実際にそうなると、マジでどーすんだコレw

パラレルとして楽しんではいるものの、正史として認めるつもりは自分はゼロです。これは角川から商業出版されてるだけの、「IFもの」同人誌だ。

いいぞ、もっとやれ!

キリマンジャロのカタがついたということで、原作準拠なのか、次の舞台はダカールに飛びそうです。

赤い零式を乗り捨てに近い形で失ったシャアの次の乗機は何になるのかも含めて、ダカールで何が起こるのか、予想する気すらまったく起きません。

『機動戦士Zガンダム Define シャア・アズナブル 赤の分水嶺』19巻より(北爪宏幸/サンライズ/KADOKAWA)

零式がマグマに沈む時に親指立てて沈んでいったらもっとよかったと思う。

これはこれでもうヨシとして、『Zガンダム』を真面目にコミカライズしてくれる出版社と漫画家、どっかにいねーのかマジで。

 

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