
ちょっと前に主要な漫画賞について調べてブログの記事にしたんですが、
aqm.hatenablog.jp
その際に、本作が2022年の「みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞」と「ananマンガ大賞」の二冠で、ちょっと「お?」と思ったので。
どちらも居並ぶ漫画賞の中ではメジャーな賞じゃないんですけど、


特に「ananマンガ大賞」の選考方法が女らしくて男らしくて個性的で面白かったので、大賞に選考された本作を読んでみたいなとw
あと自分も昔ネトゲやってて、ネトゲ恋愛ものとか大好物なので。
yamadalv999-anime.com
ちょっと調べたらちょうどこの4月からTVアニメやってんですね。

『山田くんとLv999の恋をする』1巻より(ましろ/KADOKAWA)
女子大生の茜(あかね)は、彼氏・たくまの影響でネトゲ(MMO)をやっているが、そのネトゲでその彼氏・たくまが他の女性プレイヤーと浮気をし、浮気が本気になり、フラれた。
ゲーム内の狩場でモンスター相手にストレス発散をしていたところ、たまたま狩場に現れたギルドメンバーの山田(アフロ)。
世間話で失恋を愚痴ろうとするも、無愛想な山田に「興味はないすね」と冷たくあしらわれ、更なる余計なストレスと山田への八つ当たりヘイトを溜め込む茜。

『山田くんとLv999の恋をする』1巻より(ましろ/KADOKAWA)
近所でのMMOのオフラインイベント開催を知った茜は、エステで可愛くなって髪をセットして新しい服でおしゃれして、来場しているであろう元カレを見返して後悔させてやろうと企むが、向こうが新しい彼女連れで来ているのを見かけてメンタル撃沈。
動揺して人とぶつかり派手にずっこけたところに、「大丈夫すか?」と声をかけてきた美少年の口調は、どこかで聞いた覚えがあるものだった…

『山田くんとLv999の恋をする』1巻より(ましろ/KADOKAWA)
という、ネトゲガール・ミーツ・ギルメンボーイな、オタクカルチャーというかネトゲカルチャーをベースに、オンライン(ネトゲ)とオフライン(リアル)が交錯するラブコメ。
ラブコメというかまあ、展開も描写も絵も少女漫画ですよね。
無料公開されてる第1話からちょっと1ページ丸々引用しちゃいますが、ウェブトゥーンとはまた違う「スマホ・フレンドリー」というか、

『山田くんとLv999の恋をする』1巻より(ましろ/KADOKAWA)
スマホの画面で読みやすいように、基本1ページ3段(3コマ+α)、絵も字も大きめに描かれている作品。
単行本で読むと情報量がスカスカで読み応えないんじゃないかな、と一瞬思ったんですけど、コマのデカさを活かして、セリフも描き込みも詰め込む時には詰め込むので、絵もストーリーも思いのほか密度濃く進展します。
リアルはイケメンの山田は、しかしゲーム内と同じく無愛想で空気が読めず、しかし実はMMOは息抜きでやってるだけの本職はプロFPSゲーマーの有名人で、しかも年下の高校生で、

『山田くんとLv999の恋をする』1巻より(ましろ/KADOKAWA)
しかし恋愛まったく興味ない系の、流川やクラウドやヒイロ並みのコミュ症クール恋愛音痴だった…
という、可愛い系の女子大生のお姉さんと、無愛想クールな美少年の、マイルドなおねショタと言えなくも…大学生と高校生でおねショタとは言わんか。
いろいろとネトゲあるあるで、ネトゲ経験者の自分は読むとやっぱ面白いですw
Q.元カレ・たくまが彼女の茜を自分の所属するギルドに誘わないのはおかしいと思います
A.ある程度以上のガチ勢ギルド員は、個人的な知り合いを自分のガチ勢ギルドにいきなりは入れないことが多く、まったり系初心者ギルドを紹介したり、あるいはサブキャラの個人ギルドで遊ぶことが多いです
ギルドに迷惑をかけたくない、ネトゲの人間関係を彼女に見られたくない、彼女をネトゲの人間関係に知られたくない、などが主な理由です
Q.ネトゲでたまたま出会った男女が美男美女とか確率低すぎると思います
A.確率はそうなんですが、低確率で発生する少数事例においては、逆にある程度以上の美男美女じゃないと、オフ会で一目惚れが発生しないです
Q.プロゲーマーが高校生の美少年とか確率低すぎると思います
A.近年のプロチームはルックス、髪型や服装もチームがプロデュースして、金髪・茶髪マッシュルーム系の美少年売りが結構多く、また反射神経と頭の柔らかさがモノをいうFPSのプロデビューはだいたい高校生です
という感じで、キャラはハイスペ、出会いは最悪から徐々に気になる存在へ、など恋愛もの少女漫画らしい定番の誇張やお約束展開はあるものの、自分は意外とリアリティを感じる設定・展開で、「作者、やってたな」と。
ネトゲプレイヤーにも美男美女はいるし、オフ会すれば彼ら彼女らはモテるしね。

『山田くんとLv999の恋をする』1巻より(ましろ/KADOKAWA)
悲惨すねw
よくできた定番少女漫画の展開と描写、眼福な美少年・美少女に、ネトゲネタの嬉しいおまけ付きということで、前書きで作者が語るとおり、少女漫画とネトゲの両方が好きなら、ついでに流川やクラウド系の無愛想クール美少年がお好きなら、なかなか良作な出足の1巻でした。
ラブコメは男女共に、どこかラブリーでないとね。
1巻終わりがギルドのオフ会で「誰が誰さんなんだ?」と非常に2巻が気になるヒキw
続き読も。
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