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#カナカナ 5巻 評論(ネタバレ注意)

6歳ぐらいの少女・カナカは他人の心が読めるテレパス持ちで幼少期以来、『家族八景』の七瀬のようにその能力に苦しんできた。

唯一の理解者だった祖母が亡くなり、親戚をたらい回しにされた挙句にその能力を金儲けに利用しようとする男に

『カナカナ』5巻より(西森博之/小学館)

引き取られかけたカナカは裸足で逃げ出し、公園で元ヤンの経歴と恐ろしい外見に反して単純バカだが裏表のない綺麗な心を持った男・マサと遭遇する。

マサもまたカナカの遠縁で、またヤンキー体質で頼られたら捨て置けない性格だったこと、カナカ自身が強く望んだことから、カナカはマサに引き取られ、マサが営む居酒屋で暮らすことになった…

『カナカナ』5巻より(西森博之/小学館)

という、西森博之の現作は「テレパス少女もの」+「血の繋がらない父娘もの」。

コメディ進行の日常回を中心に散文的というか行き当たりばったりに見える展開ですけど、もともと作劇のプロセスがなかなか読めない作者で、過去作でも行き当たりばったりのようでいて後になって結構計算高く伏線を張っていたことがわかることが多いので、先々の予想がつきません。

『カナカナ』5巻より(西森博之/小学館)

近作では散文的な描写の積み重ねによって独特な情緒を込める作風が特徴で、いつどこでどんな終わり方をするのか全然予想がつかない、メタなスリルがある作家。

今巻は久しぶり?に悪役マンが登場しますけど、一冊を通して概ね日常巻。

カナカや英子の子ども視点のお話中心。

『カナカナ』5巻より(西森博之/小学館)

悪役マン登場のエピソードも含めて、マサとの暮らしで「粋」を学んで、カナカ強くなったよなー、というのと、彼女を取り巻く大人たちが軒並み不器用なんですけど、優しい奴ばっかりだな、という。

しかしどいつもこいつも本当に不器用だなw 大丈夫か?w

『カナカナ』5巻より(西森博之/小学館)

恋を失って海を見つめる女子高生。

彼女を励まし、彼女と彼の恋をもう一度結び直すキューピットになってあげたいと思った少女たち。

子どもらしい幼く拙い作戦と、意気に感じてそれに応える女子高生。

浜辺を渡る風に乗る赤い糸。

優しく美しい人の心の輪が、浜辺で起こした奇跡。

『カナカナ』5巻より(西森博之/小学館)

ちょwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

 

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