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#IDOL×IDOL STORY! 1巻 評論(ネタバレ注意)

渚 美海(なぎさ みみ)、22歳。通称「ミミ助」。

かつてインディーズ・アイドルとして舞台に立っていたが、向上心が低いメンバーに『スラムダンク』の赤木のようにゲキを飛ばす勇気を出せず、グループはそのまま芽が出ないまま解散。

『IDOL×IDOL STORY!』1巻(得能正太郎/芳文社)

現在は就職活動を控えた大学生、趣味はドルオタ、推しアイドルはインディーズ・アイドル「シュガースマイル」の七種依吹。

七種 依吹(ななくさ いぶき)、高校生。

かつてインディーズ・アイドルだったミミ助に憧れ、自分も「シュガースマイル」の一員としてインディーズ・アイドルデビュー。

『IDOL×IDOL STORY!』1巻(得能正太郎/芳文社)

向上心が低いメンバーに『スラムダンク』の赤木のようにゲキを飛ばしたことでメンバーに嫌われ、追放同然に脱退。

そんな彼女たちの目の前で、メジャー資本による新アイドルグループのオーディションが開催されることに。

ミミ助と依吹は互いを励まし合いながらオーディションに挑戦するが…

という、『スラダン』のゴリのように夢と向上心を持ちながら『スラダン』のゴリ(1年生時)のようにメンバーに恵まれず、というかアイドル活動への温度感が合わずに挫折した二人の元アイドルによる、オーディション・サバイバル漫画。

『IDOL×IDOL STORY!』1巻(得能正太郎/芳文社)

という、『NEW GAME!』の得能正太郎の新作。

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『NEW GAME!』は4コマ漫画でしたが、今作は非4コマの…「通常漫画」って呼び方、変よね。「非定型コマ割り漫画」?

よくわからん。「ふつー形式の漫画」です。

彼女らが受けるオーディションは作中でTV番組化されリアリティ・ショー仕立て。

おじさんなんで最近のTVとか芸能人とか疎いんで例えが古くて恐縮ですけど、昔「アサヤン」でモー娘。のオーディションをリアリティーショー仕立てでやってましたけど、あんな感じ。

『IDOL×IDOL STORY!』1巻(得能正太郎/芳文社)

スレた書き方すると、

アイドルもの → 流行り

リアリティーショーもの → 流行り

オーディションもの → 『ガラスの仮面』の昔から定番の面白舞台

サバイバル試験もの →  定番の面白舞台

美少女同士のシスターフッド →  流行り

泥臭い熱血展開 → 作者の得意技

美少女キャラ →  作者の得意技

と、昔ながらの定番展開、近年の流行、作者の持ち味を組み合わせた、ある程度以上は面白いに決まってんだろ的な建て付け。

1巻は導入でキャラの背景と動機づけ、一次・二次予選でメンバーが5千人から16人に早くも絞られて、2巻から本番かな、という感じ。

『IDOL×IDOL STORY!』1巻(得能正太郎/芳文社)

この手の作品が「ある程度面白い」に留まるか、「"ある程度"を越えて面白い」になるかは、

・解決不能に見える試験の設問設定やトラブル

・それを解決するキャラクターの才能と機転、インプロヴィゼーション描写

・生き残る者、脱落する者の生き様と関係性のドラマ

がすべて、みたいなとこありますよね。

普通にやれば普通に面白くなるでしょうけど、『ハンター』のゴンみたいな"本質見極め力"や発想の転換の切れ味が武器の主人公ではなく、情熱とガッツと不屈の泥臭い根性で解決する主人公を描くイメージがある作者。

『IDOL×IDOL STORY!』1巻(得能正太郎/芳文社)

どんな主人公像が描かれるのか、期待が膨らみつつ、2巻に続く。

2人の主人公ヒロインが2人とも『スラダン』のゴリを彷彿とさせるエピソード抱えてるのはちょっと面白いですけど、夢や目標に対する向上心やモチベーションが高ければ、ゴリに限らず自然と周囲(チームメイト)からは「暑苦しい意識高い系」に見えるのは当然というか、ポストモダン以降の世の理なんですかね。

「"たかがアイドル"に諦めずにマジになって人生賭けて、何が悪い!」

と闘うヒロインこそ、この作者の持ち味、という気もしますね。

 

あと、内容と関係ない、この作品に限らない苦言を言うと、英数字タイトルの作品を全角英数で商品登録するのやめて欲しい…

出版文化とデジタル・ネット文化の相容れないところなのかもしれないですけど、表記揺れ、検索効率損、画面上のスペースも余計に奪ってしまう、と、ろくなことないと思いますよ…と、溜息ついて半角で作品タイトルを手入力し直しながら。

 

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