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あ、今日読んだ漫画

#アルスラーン戦記 20巻 評論(ネタバレ注意)

表紙はイアルダボード教の大司教・ボダン。

ベルセルクの大司教?もデカくて四角い鼻だった記憶がありますが、大司教って漫画家にデカくて四角い鼻にされるなんかがあるのかしらん。

『アルスラーン戦記』20巻より(荒川弘/田中芳樹/講談社)

田中芳樹の高名なファンタジー戦記を荒川弘がコミカライズという鉄板漫画。

原作リスペクトの強い忠実な構成、大量の主要登場人物の描き分け、描くのが大変ながら労を惜しまない会戦の描写と、相変わらずコミカライズにあたってこれ以上ない「当たり作画」。

原作でいうと第一部の終盤、原作全7巻の7巻相当ぐらい、『王都奪還』あたり。

虜囚の身から自力で脱出し、救国の軍を起こした息子の軍勢に合流したアンドラゴラス王に「兵力5万を集めるまで帰参するにあたわず」と追放されたアルスラーン王子。

彼を慕って軍を脱出した少数精鋭・一騎当千の部下たちと訪れた港町ギランで海賊や悪徳領主を制圧。

一方、アンドラゴラス率いるパルス軍はペシャワール城を進発、王都エクバターナに向かって進軍を始めた…

『アルスラーン戦記』20巻より(荒川弘/田中芳樹/講談社)

ということで、今巻はアンドラゴラス軍とルシタニア軍が平原で激突、暗躍するヒルメスや力を蓄えたアルスラーン軍は漁夫の利の間隙をついて王都へ向かう。

「風は王都へ」という感じで全ての勢力が決着を求めて王都に集まりつつ、というところ。

連載始まった頃は「このペースでコミカライズなんて第一部終わんのに何年かかるんだ」と思ったものですが、終わりが見えてきましたね。

遠い先のことだと思ってましたけど、コミカライズの第一部も最終決戦展開を残すのみ。

『アルスラーン戦記』20巻より(荒川弘/田中芳樹/講談社)

第二次アトロパテネ会戦、ルシタニアの王弟ギスカール率いるルシタニア軍と対峙するアルスラーン軍は、手薄な本陣の後背に大司教ボダン率いる聖堂騎士団を背負い、挟撃の危機にあった。

ということで、大会戦において絶体絶命のピンチ、ダリューンが『三國無双』の呂布みたいに。

ゲップが出るほどのダリューン無双、パルス軍無双。

『アルスラーン戦記』20巻より(荒川弘/田中芳樹/講談社)

作品最大の嫌われ役・大司教ボダンが今巻で死ぬんですが、原作小説と死に方・展開が異なります。

今後の情勢も左右するような改変なので、第二部やらずに、「改変第一部」の完結をもって作品自体も完結かもしれないな、とちょっと思いました。

自分、原作小説の第二部、全然好きじゃないので、正直そっちのが有り難いな。

『アルスラーン戦記』20巻より(荒川弘/田中芳樹/講談社)

戦犯国の罪と罰を理不尽にエステル一人に背負わせすぎ、正直、部下に恵まれ展開に恵まれるアルスラーンよりよほど重たいもの背負わされていて、自分が『アルスラーン戦記』自体と田中芳樹をうっすら好きになれない要因になってしまっているので、彼女が少しでも報われると嬉しいな、と思います。

 

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