父親は事故で他界、頼れる親戚もいないところに母親に失踪された大人しい女の子が通学用に中古のスーパーカブを買って乗る話。
1巻冒頭で出てくる「日野春駅」をググると、舞台は山梨県北杜市らしい。
原作は角川スニーカー文庫、小説の表紙絵は「明日ちゃんのセーラー服」の人。
このコミカライズの人も、デビュー作より気持ち絵柄を原作表紙の人に寄せてていい雰囲気。
ヒロインたちも高校3年生になり、進路が気になる、というより「進路を気にしろ」と時間にせっつかれるお年頃。
奨学金による大学進学、特待価格で設備と環境の整った大学寮の斡旋も。
条件は一つ、バイク置き場のない寮なので、スーパーカブに乗る生活を諦めること。
ヒロインの決断は…
ってまあ、ネタバレですけど寮入りを蹴って、更なる自立とカブとの生活を選んで、大学入学前の高3の身で食い扶持を自分で稼ぐ自活の道へ。
周囲が家庭環境に恵まれて経済的にも困窮してない(ように見える)中、17〜18歳で
「自分は孤独で貧乏だ」
と自覚する前巻までの描写は読んでて本当にしんどいものでしたが、決断し動き出した今巻の小熊は本当に頼もしく、人生序盤に訪れた急な上り坂を力強くグイグイ登っていく、高揚感すら感じます。
不調のエンジンを自ら解体して修理、高校卒業を待たずに始めたバイク便のバイト、更なる稼ぎための投資として自動車(4輪)免許を取得。
自分の足で一人で立って生きて暮らしていく自由と責任と、バイクやクルマを手に入れた時の「どこにでも行ける」という万能感の赴くままに。
自分も自分の稼ぎで一応、一人で生きて暮らしていて、いい年なので小熊よりは裕福なんですが、それでも「羨ましい」と感じてしまうのは、小熊の何に対してなのかな。
やっぱアレかねえ、若さなのかねえ。
わかるわー。
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じゃあちょっと、走ろうか。
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