#AQM

あ、今日読んだ漫画

#ウィッチウォッチ 15巻 評論(ネタバレ注意)

『SKET DANCE』『彼方のアストラ』の作者の現作。

乙木守仁は、超人的な身体能力を持つ鬼の末裔であることを隠して普通に暮らしていた。

守仁の高校入学を控えた春休み、長期出張で海外へ出発する父と入れ替わりに、魔女の聖地に修行に出ていた幼馴染のニコが帰還。

『ウィッチウォッチ』15巻より(篠原健太/集英社)

両家の同意のもと二人は一緒に暮らし、守仁はニコの使い魔として彼女を予言された災いから護衛することに。

6年ぶりに再会したニコは可愛らしく、しかし強力ながらどこかポンコツな魔女に成長していた…

という、幼馴染の鬼ボーイ・ミーツ・魔女ガール・アゲインに、ニコの使い魔となる同居仲間が守仁以外にも天狗、狼男、吸血鬼と増えて、同居日常ギャグ学園ラブコメたまにシリアスバトルな漫画に。

『ウィッチウォッチ』15巻より(篠原健太/集英社)

シリアスなバトルもので人気を博したカッコよ可愛いキャラたちの、ギャグだったり緩かったりする日常や恋愛・ラブコメをもっとじっくり見てみたい、というのは人気作であれば多かれ少なかれ発生して、多くの場合その役割は公式スピンオフや二次創作に託されることになるんですが、

「一次創作内で自分で全部やっちゃおう!」

「バトル・ギャグ・コメディ・ラブコメ・日常・ホラー・ファンタジー、少年漫画のジャンルを全部一作品内でやっちゃおう!」

という作品。

『ウィッチウォッチ』15巻より(篠原健太/集英社)

ギャグコメディな日常をやりつつ、シリアスに悪役と対峙するバトル要素と、ニコと守仁のラブコメ要素が大きな縦軸に。

「友情・努力・勝利」なジャンプ王道のシリアス・バトル展開、「災いの日」編の決着と、その代償。

仲間それぞれのタイマン・バトルの見せ場、「大将」同士の一騎打ち、能力バトルの不利や膠着を打開する作戦・総力戦、ついに姿を現す敵の黒幕、仲間を救う献身、と少年ジャンプ的な王道バトル展開の粋を集めた展開。

『ウィッチウォッチ』15巻より(篠原健太/集英社)

とても良くできてるし、もちろん作品の縦軸の背骨に当たる必要不可欠なエピソードなんですけど、わちゃわちゃしたネーム芸の日常回が面白すぎるせいか、

「はやく日常回に戻んねえかな…」

と、どこか「遊びに行く前に宿題を片付けている」ような気分にw

バトル展開そのものより、その結果としての日常回やキャラの関係性の「味変」の方が印象に残ります。

『ウィッチウォッチ』15巻より(篠原健太/集英社)

『よつばと!』のよつば、『SPY×FAMILY』のアーニャ、と「幼児ヒロインの父娘育児もの」は鉄板ジャンルなんで、今後の日常エピソード群が非常に楽しみな味変。

ただし、幼ニコがもとに戻った時にその思い出や人格はどう処理されるのか、「幼児ヒロインの父娘育児もの」の娘が成長してくっつく展開は、女性読者に「生理的に無理」レベルで嫌われることを経験豊富な作者は知ってるはずなので、その辺どう処理するんでしょうね、と少し心配に思ったりはします。

『ウィッチウォッチ』15巻より(篠原健太/集英社)

いずれにせよ、次巻(正確には今巻後半)からの味変された第二部の日常エピソード、楽しみですね。

 

aqm.hatenablog.jp

aqm.hatenablog.jp