
回想エピソード2編を除いて後日談ばかりの描き下ろし4コマ漫画が、単行本おまけのなんと18編もありました。

『よふかしのうた』20巻より(コトヤマ/小学館)
ああ…やっぱりみんな愛おしい…
少年・夜守コウ(14)はふとしたきっかけで「上手くやれていた中学生活」が嫌になり不登校に。
ある夜、夜の散歩で街を放浪していると「夜と不眠」に一家言持つ謎の美少女・ナズナに声をかけられ、血を吸われる。
彼女は吸血鬼だった。
夜に生きる眷属になりたいと願っても吸血鬼化しないコウ。
彼女が照れながら語る「吸血鬼になれる条件」は「吸血鬼に恋して血を吸われること」だった。

『よふかしのうた』20巻より(コトヤマ/小学館)
「だがしかし」作者の吸血鬼ファンタジーな青春ラブコメ。
作品全体を通じて青春期の鬱屈とその鬱屈からの解放が夜を舞台に描かれる。
吸血鬼・キクと眷属志望の少年・マヒルの顛末は、恋の成就と、それに伴う二人の死だった。
それを見てしまったコウとナズナの関係も、「眷属」と「両想い」を両立した瞬間に、終わりを迎える宿命にあった…
今巻で完結。

『よふかしのうた』20巻より(コトヤマ/小学館)
「だからなんだ」
と言う話ですが、オタクやらぼっちやら陰キャやら引きこもりやらの少年を、鬱屈して退屈な日常から連れ出してくれる存在として、近年のラブコメ漫画では「ギャル」がいますが
b.hatena.ne.jp
少年自身に超常的な力も授けてくれる、「ギャルの上位互換」として配置されたのが吸血鬼・ナズナだったなーと思います。
セリは吸血鬼でギャルなのでややこしいですね。
だからなんだ。
はあ、終わってしまった。

『よふかしのうた』20巻より(コトヤマ/小学館)
別れが近づいてどんどん緊張感と重たさが増していく過程がじっくり描かれて、ナズナさんと別れるコウくんと、この作品と別れる自分の精神状態のシンクロ率ヤバかった。
絵もセリフもキャラもネームも設定もストーリーも、何もかも好きな漫画でしたが、その話は過去記事で既にしてきたので、唯一まだしていない、
「エンディングについての話」
をします。
A.どうにかコウくんが眷属に収まるハッピーエンド
B.どちらかもしくは両方が死ぬバッドエンド
C.二人とも生きてるけどお別れするビターエンド
どうなるんだろうと心を千々に乱しながら読んでいました。

『よふかしのうた』20巻より(コトヤマ/小学館)
「B」はキクとマヒルで一度やったからなさそう。
「A」はここ数巻の雰囲気からしてあり得ない。
じゃあ、「C」か…
と、ちょっと「終盤を読みたくない衝動」にも駆られました。
半分正解で、半分「不正解」でした。
ハッピーエンド、バッドエンド、ビターエンド、いずれにしてもキリッと美しく終わって欲しいとも思っていました。

『よふかしのうた』20巻より(コトヤマ/小学館)
が、「半吸血鬼化」したコウくんがどういう状態なのかも判然としないまま、「キクとマヒル」の一例しかなく実際にコウからナズナが吸血したらどうなるかもわからないまま、コウがナズナの永い人生に寄り添っていけるのかもわからないまま、キリッとしたと思ったら、「寿命ギャップの恋の哀愁」すらも「ちょっとまだよくわからないですね」と踏み倒していくような、なんとも中途半端なエンディングw
なんですけど、「終わる代わりに終わらなかった」と言うべきか、「わからないままでも生きていく」と言うべきか、自分が想定していたいくつかの「キリッとした」ままのエンディングのパターンのどれよりも、好きなエンディングでした。
「ラブコメ」、「ラブストーリー」、それはそうなんですけど、「少年漫画」でもあって、やっぱ「少年漫画の主人公」はかくあって欲しいよな、と思いました。

『よふかしのうた』20巻より(コトヤマ/小学館)
コウくんサイコー。
この「二段底のエンディング」で終わった作品らしく、締まらないことに「作者あとがき」も本編後、おまけ漫画後の「二段底」でした。

『よふかしのうた』20巻より(コトヤマ/小学館)
よし、まだ生きていく楽しみがひとつ増えた。
最後の最後まで大好きな作品でした。一旦、お疲れ様でした。
次回作もすごくすっごく楽しみにしています。あー面白かった。
aqm.hatenablog.jp
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