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あ、今日読んだ漫画

#高橋留美子傑作集 金の力 【完】 評論(ネタバレ注意)

少年漫画・青年漫画の大家、高橋留美子の近年の短編作品6編を集めた短編集。

『高橋留美子傑作集 金の力』より(高橋留美子/小学館)

『ふたりの家』

男手一つで妻を育てた義父と共同名義で二世帯住宅を建てたものの、子に恵まれず、7年前に妻に先立たれたヒロシ。

結果、ヒロシと義父、血のつながらないおっさん同士の永い二人暮らしに。

そんな環境に、家事代行サービスで来た神鳥(かんどり)さんは、亡き夫の借金を抱えた美人さんだった。


『きみはNo.1』

独身男の堤は、上司のパワハラで体調を崩し会社を辞め、彼女にも振られ、現在は「デトックスサービスのコンパニオン」を務める。

シニア層の顧客の話し相手を務めて心の毒出しをする、要するに老害に怒鳴られてストレス解消させる仕事だった。

堤は顧客の北川家の一人娘に心惹かれながらも、北川家にはなにやらややこしい家庭の事情がある様子だった。

『高橋留美子傑作集 金の力』より(高橋留美子/小学館)

『嫌なランナー』

男は、真面目だけが取り柄で銀行でまあまあ出世し、地方支店の支店長となった。

支店長は子どもの頃から、「走っている小さいおじさん」を幻視し、度々不幸に見舞われてきた。

赴任した支店は細かなトラブル要素が満載で、支店長はかつてないほどの頻度で「走っている小さいおじさん」を幻視する。


『昔の女』

子を送り出した中年夫婦の家庭に、マスクをつけ着物を着た女の幽霊が現れ、夫婦ともども見てしまう。

お祓いに来た神主曰く、幽霊は「ご主人に世話になった、長年の不貞について奥様に申し訳ない」と…

以来、冷たい態度をとる妻に無実を主張するものの、夫には心当たりがないでもなかった…

『高橋留美子傑作集 金の力』より(高橋留美子/小学館)

『Sに捧ぐ』

かつて自分の恋人を寝取り、その後歌手としてヒットしたものの一発屋で終わった高校時代の同級生、桜井奏の訃報。

その三回忌、郷里で開催され同窓生も多数出席、寝取られた元カノも出席する「偲ぶ会」に中年男・友永も出席。

女好きでいい加減だった桜井奏が遺した唯一にヒット曲『Sに捧ぐ』、そのSとは一体どの女のことだったのか。


『金の力』

初老の男・中平は仕事を定年退職し、活動的な妻とは裏腹に留守番と犬の散歩の毎日。

犬の散歩先の公園に、かつてのアイドル女優・坂下しのぶ(に似てる人?)が同じく犬の散歩に現れるという不確定情報を元に、心をときめかせていた。

そんなある日、ひょんなことから公園で知己になった男は、実はとんでもない金持ちだった…

『高橋留美子傑作集 金の力』より(高橋留美子/小学館)

前作に続き、全て中年後期〜初老の男を主人公とした作品。

ちょっと記憶が薄れてますが、前作の感想に自分は

ケレン味が抜けて自然体というか、ある意味、主人公の設定も相まって枯れた作風になってる感じ。

と記してますが、今作は美女にときめいたり、かつての恋を思い出したり、浮気未満に鼻の下を伸ばしたりと、なんか全体的にプラトニックながら精神的に生臭い話が多いですねw

『高橋留美子傑作集 金の力』より(高橋留美子/小学館)

「少年漫画」「青年漫画」の大家ですが、主人公設定を見るに本作は実質「中高年漫画」と呼んでよいかと思いますが、一般的にそんなジャンルは今のところありません。

漫画読者のボリューム層の一つ、団塊ジュニア世代の年齢を考えたら、あってもおかしくないんでしょうが、あるいはずっと若いつもりでいたい読者感情として「中高年向け」に用意されたものを楽しんで自身が「中高年」であることを認めるのに抵抗感があるのか、それとも、ただ単にヒロインが自動的に10代の少女が納まる少年漫画と違って

『高橋留美子傑作集 金の力』より(高橋留美子/小学館)

「若い女の出番が作りにくく『商品』になりにくいから」なんでしょうかw

 

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