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あ、今日読んだ漫画

#邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん Season11 評論(ネタバレ注意)

高校の「映画を語る若人の部」に入部したプレゼン下手の映子が、毎回好きな邦画を1本トンデモ説明でプレゼンして部長がツッコむ話。

『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん Season11』より(服部昇大/集英社)

ヤンヤンじゃなくて映子のチャイナドレス、珍しいねw

昭和の少女漫画リスペクトな画風。

ネタはほぼ無限に供給され続ける上に、パッションよりも計算で回す作風で面白さも安定して高止まりしてるし、アニメ化・実写化がクッソやりづらいというかほぼ不可能なこと以外は本当に良い漫画作品。

今巻のお題は

    ・『北斗の拳』

    ・『シン・仮面ライダー』

    ・『耳をすませば』

    ・『Winny』

    ・『魔女見習いをさがして』

    ・『奈落のマイホーム』

    ・『ゴジラ−1.0(前後編)』

    ・『犬鳴村 恐怖回避ばーじょん劇場版』

    ・『ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー』

    ・『CUBE 一度入ったら、最後』

  ・(書き下ろし)『ゴールデンカムイ』

今巻で気づいたんですが、エピソードタイトルや目次で、漫画原作の映画についていちいち「(実写版)」の表記を入れるのをやめるようになってますね。

いつからだろ。

12作品中、自分が見たことあるのは2作でした。

『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん Season11』より(服部昇大/集英社)

自分と邦キチの「趣味の合わなさ」を考えたら、2作も観てたなんて悪くない数字w

WEB連載の掲載は件の事件の前、単行本は後、というタイミングでしょうか。

漫画原作の実写化映画はこの作品の主要モチーフで、実写化に際するトンデモ改変を面白おかしく語るのは生命線の一つだったんですが、事件の影響でそこに世間的にネガティブな注目が集まったのは、この作品にとってちょっと不運だった気がします。

「外部要因で選択肢が狭められちゃった」

という先入観も拭えません。作者に責任があることではないんですが。

『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん Season11』より(服部昇大/集英社)

ただ「実写化改変の是非」や「愛される改変ノウハウ」を各方面に配慮しつつ茶化さず真剣に誠実に語るのは、これまでと切り口が変わってそれはそれで面白く、「実写化映画ガチ勢の心意気」というか、作者の映画愛が見直され評価される良い契機とも言えますね。

転んでもタダでは起きないというか、「よーやるわー」というw

もちろん「映画のプレゼン」を主軸テーマにした作品ですが、部長と映子の未満恋愛ラブコメを軸に、マリア、ヤンヤンなどの強烈な個性を持つ美少女キャラ、特撮部などがそこに加わる、賑やかで楽しくも羨ましい優れた青春モラトリアム空間コメディ漫画になっていて、相変わらず映画に詳しくない自分もとても楽しく読めています。

『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん Season11』より(服部昇大/集英社)

たかくん、いいよね…w 部長のツッコミが最も冴える素材な気がするw

面白さがずっと安定して高止まりしていて、結構、青春モラトリアム空間漫画として現役屈指の漫画じゃないのかな。

「ただモラトリアム」「ただラブコメ」より、こういう「お題」を抱えた作品の方が、外部からのインプットのおかげで自家中毒や内輪ネタに陥らない・煮詰まらないというのかな、楽しく読める気がしますね。

青春漫画や恋愛漫画にありがちで内省的で退屈になりがちな禅問答要素も、面白おかしい映画語りに流れていくというか飲み込まれる上に、無理して人間関係進展させる必要もないという。

ラジオのトーク番組などがリスナーからのハガキを必要とする理由や、昔『ぎゅわんぶらあ自己中心派』や『美味しんぼ』などの

『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん Season11』より(服部昇大/集英社)

おまけ要素みたいな未満恋愛ラブコメ要素が好きで読んでいた頃のことなどを連想しました。

 

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