
すみれちゃん、31歳。

『平成敗残兵すみれちゃん』1巻より(里見U/講談社)
10代でアイドルとしてメジャーデビュー、そこそこ活躍したものの、その後の人生を保証するようなブレイクには至らず。
現在は叔母のスナックで働きつつ、ヤニカス、酒クズ、パチンカス。
そんな退廃的な生活を送りつつも顔と身体はギリキープしているすみれちゃんに、従兄弟の男子高校生・雄星(16)が同人アイドルとして再デビューを持ちかける。

『平成敗残兵すみれちゃん』1巻より(里見U/講談社)
特にアイドルに夢も見ていないが金は欲しいすみれちゃんは、渋々雄星の提案を了承。
かくして雄星プロデュースによる金目当てのすみれちゃんのアイドルリブートの道が始まった…
という、コスプレ、グラビア、同人、などの要素を散りばめたアイドルもの。

『平成敗残兵すみれちゃん』1巻より(里見U/講談社)
コスプレものやアイドルものとしてはこの辺がありますが、
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基本的に夢・憧れ・希望をメインに据えた描写がされるこれらの作品群と違って、本作で語られるのは、
「知名度」、「金」、「エロ」、「ルッキズム」、「老い」、あとなんでしょね、「生理」とか。

『平成敗残兵すみれちゃん』1巻より(里見U/講談社)
「ビジネス」というより「金儲け」という感じw
グラビアつながりのコスプレものやアイドルもので避けられがちなこの辺の要素で、リアリティラインを押し上げている漫画。
『ハッピー・マニア』要素を混ぜた、と言っていいかもしれませんw
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夢や希望の「キレイゴト」でドライブしている既存のアイドルもの・コスプレものに対する、ある種のアンチテーゼになってる作品。

『平成敗残兵すみれちゃん』1巻より(里見U/講談社)
「推し」という言葉も今のところ使われません。
なんですけど、雄星目線で語ると、アレですよね。
自分の個人的な好みも捨てて、ただただ
「すみれちゃんに売れてほしい」
という雄星の実は献身的なプロデュース、根っこのところは一緒かなと思います。

『ファイブスター物語』リブート6巻より
「推し」とか「布教」とか言ってっけど、要は「もっと売れてほしい」ですよね。
出オチで終わる予感もプンプンしますが、身も蓋も無く「推し」の正体・本質を描きつつも、「でもね」が秘められているようにも見える作品。
社会的にも漫画のテーマ的もここ数年世間を席巻し既に陳腐化して今後腐っていくんであろう「推し」概念を総括する、

『平成敗残兵すみれちゃん』1巻より(里見U/講談社)
「最後の花火」に、なるのかもしれないし、ならないのかもしれない。