パンツが見えそうで見えない表紙ですけど、本編では割りとパンツ見えます。
「兵器と美少女」は遥か昔のブームを過ぎて、ジャンルとして定着した感がありますね。
第三次世界大戦を経た、2041年の世界。
人命尊重・兵器の無人化により戦争の戦死者は減少したが、それだけに制圧・治安維持などの最終局面の白兵戦に投入せざるを得ない人間の兵士は貴重となり、訓練と戦闘経験を積んだ兵士は希少となった。
兵士の量より質が求められる時代、合衆国は敵国から秘密裏に押収したバイオテック技術を転用し、熟練の兵士(の脳と脊髄)が衣服を着替えるように義体を着替える「人工素体(ミミック)」技術を軍に適用。
熟練兵が前線で重傷を負っても24時間で戦線に復帰できるシステムを構築した。
チュニジアの作戦で負傷した合衆国の特殊部隊隊員クリスは、作戦終了後にいつものように義体を換装。
しかし、彼が目を覚まして鏡で確認した自分の姿は、ローティーンの美少女のものだった…
という、近未来SFの特殊部隊もののガンアクション。
「ロリータ攻殻機動隊」とでも言うか。
『攻殻機動隊』を洋物化して、SF感だいぶ薄めて、ロリ趣味増し増し、「電脳」抜き、という感じ。
なので「電脳ハッキング」「電脳ジャミング」などの「電脳電子戦」はありまへん。
「パーツの換装」という意味では『ガンスリ』にもちょっと似てますが、あっちと違ってこっちは換装(+投薬)による脳や寿命へのダメージがないっぽい。
美少女の中身はおっさんなので「同世界(美少女)転生」っぽい感じ、見た目は『ごちうさ』。
中身がジジイの奴(おでこ枠)もいるので自然と「のじゃロリ」に。
自然とはいったい。
少女の姿となったクリスへの大統領からの直接指令は、ネットでガチめの暗殺予告がなされた大統領の隠し子の娘を、ヨーロッパから合衆国へ護送することだった…
日本色がほとんどない「洋物」感あふれる展開と描写。
大統領の名前が「ジョン・スミス」、冒頭シーンの主人公の分隊の隊員たちが「スピルバーグ」、「キャメロン」、「ルーカス」、ベテラン兵士は「ランボー」と、手を抜くところは膝から崩れ落ちるぐらい手を抜く、割り切りの落差も面白いですねw これコールサインなんかな?
1巻に続き、色々あった挙句、拉致された大統領令嬢を救出すべく、北欧へ。
今巻は、兵器産業の展示会みたいな展開だねえw
バトルもので苦戦しつつも、状況を打開して、相手を上回って、勝利する。
理屈と切り札が要ります。
作戦だったり、敵の弱点だったり、覚醒だったり、救援だったり。
本作・今巻の「理屈と切り札」は「新兵器」です。
いろいろ行手を阻まれたりピンチになったり膠着したりしますが、全部、新兵器で解決。
「ちょっと未来」の世界なので、MP7やM4の後継兵器もお目見え。
ストーリーもオーソドックスで特筆すべきところはなく、展開も「新兵器で解決」のゴリ押し一辺倒ですが、そもそも「兵器と美少女」を期待して読む読者に、きっちり「兵器と美少女」、あとパンツ!を見せてくれて、自分は割りと楽しく読みました。
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