
「斉廷戦争」から15年。

『カグラバチ』3巻より(外薗健/集英社)
戦争を終わらせた六振りの妖刀を世に送り出した日本随一の刀匠・六平国重は、息子を見習い弟子に刀を打ち続ける穏やかな日々を過ごしていた。
が、「毘灼」を名乗る妖術士集団に工房を襲われ、六平は死亡、回収され秘蔵されていた六振りの妖刀も強奪され、14歳の息子・チヒロだけが遺された。
3年後、生き残ったチヒロは、父の仇である「毘灼」を追い、奪われた六振りの妖刀を回収すべく、名工・六平国重が遺した七振り目の妖刀を手にとっていた。

『カグラバチ』3巻より(外薗健/集英社)
「刀社会」となり妖術士が跋扈し裏社会と繋がる日本と東京、妖術とそれの源となる「玄力」、妖術を駆使し取り締まる国家機関「神奈備(かむなび)」、不死の力を持つ鏡凪一族の少女。
六振りの妖刀が持つ力とは、「斉廷戦争」とは誰と誰の戦いだったのか、チヒロの出生が「斉廷戦争」の終戦前後と符合することに何か意味があるのか。
という週刊少年ジャンプ本誌連載のバトル漫画。

『カグラバチ』3巻より(外薗健/集英社)
剣戟アクションというよりは能力バトル寄り、過去のジャンプのいろんな大ヒット作の匂いがして「どれのアシスタントだったんですか」と訊きたくなるような、画面はあらゆる意味で近年の正統派ジャンプ・バトル漫画という感じ。
作品のカラー的にはダーク系で、低年齢層向けよりは『BLEACH』『呪術』寄りでしょうか。
「悪・即・斬」でテンポの良く、2巻でその時点でのラスボスを倒す展開もそうですが、ジャンプバトル漫画の「メタ獲り」というか、従来のジャンプ・バトル漫画の
「どうせそうなるってわかってるのに、もったいつけた、かったるいやりとり」
が省略されたスピーディな展開。

『カグラバチ』3巻より(外薗健/集英社)
主人公たちが戦ってる間に、読者は
「こいつに勝ったら次どうなるのかな、誰と戦うのかな」
と既に「次」を考えてたりしてたんですが、そこにギアを合わせに行ってる感じがします。
序盤の悪役、双城を2巻で始末し、次なる敵は代々オークションを開催し今年は妖刀『真打』を出品する漣家。
やっぱ「サザンピース」のもじりなんですかねw
展開がスピーディなので情報量が多く感じますけど、そのスピードの一因として、悪役の背景深掘りがあんまりされません。
それこそ言い訳無用で叩っ斬る「悪・即・斬」というか、「勧善懲悪」ならぬ「完全勧善懲悪」とでもいうか、悪役はただ悪く、主人公に倒される前に非道を働きこそすれ、「悪役がそこに至った背景」はあまり語られません。

『カグラバチ』3巻より(外薗健/集英社)
ここも過去のジャンプ・バトル漫画で「強いて言えばかったるかった」点なんかな。
正直、「主人公の物語」としてはノイズだったこともありました。
「悪役を深掘りしてもたいしたもん出てこない」
「たいしたもん出てきたら勧善懲悪しにくくなる」
というのは、どのへんだろ、『鬼滅の刃』とかそうでしたけど。
「スピード」と「わかりやすさ」、バトル漫画として現代的な気もします。
双城の生い立ちや背景を、その死の直前にシャア・アズナブルのように深掘り回想されても「コレジャナイ」感ありますし、「絶対悪」「純粋悪」として、同情の余地なく読者が全力で処罰感情や憎悪などの「怒り」をぶつけられる悪役、極めて欲しい気もしつつ、あんま子どもや動物を虐げる描写は勘弁して欲しいですけど。
1〜2巻のシャルにまつわる描写、自分的にはだいぶギリギリでした。シャルあんまいじめんな。

『カグラバチ』3巻より(外薗健/集英社)
あとアレです、SNSでどこかの誰かに「正義の怒り」をぶつけるよりは、物語に託す方がだいぶ健全な気もしますねw
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