
『ガンスリンガー・ガール』『1518!』の相田裕の現作。
『ガンスリ』がとても残酷な設定でしたが『1518!』では一転して穏当な設定による青春もの展開で、「真人間になったのか」と思いきや、本作では再び残酷で重たい設定に。

『勇気あるものより散れ』6巻より(相田裕/白泉社)
モブだけど、立派な兵隊さんだなあ…
明治七年。
幕末に「鬼九郎」の異名で知られた剣士、元・会津藩士の鬼生田春安は、死に場所を求めるように反・維新政府の活動に身を投じ、内務卿暗殺計画の現場で対峙した女学生風の娘に敗れ瀕死の重症を負わされる。
娘は不死者の一族を名乗り、彼を眷属として延命させることを告げる。

『勇気あるものより散れ』6巻より(相田裕/白泉社)
娘に救われた春安は生きる場所を得て、幕府から維新政府に受け継がれた、化野民(あだしののたみ・不死の一族)を巡る忌まわしき闘争に身を投じる…
という、主人公がヒロインの首に斬りつけるところから始まる、明治時代を舞台に不死をめぐる陰謀が渦巻く、血生臭い伝奇剣戟アクション。
明治七年、作中で「近々 廃刀令が出る」とされているので、西南戦争(明治十年)直後の『るろうに剣心』のオープニングよりあと4〜5年古いぐらいでしょうか。

『勇気あるものより散れ』6巻より(相田裕/白泉社)
1巻のっけから敵本拠に押し入って、ヒロインの兄のラスボス級と対峙しながら不死者を殺せる妖刀「殺生石 華陽」を強奪、2巻以来その後始末というか潜伏・逃走劇の続き。
逃げる化野民のシノと春安、追うのも同じく化野民・シノの姉と兄、その眷属たち。
バスケットボールのように所有者が替わる妖刀「殺生石 華陽」を巡って『ゴールデンカムイ』のように敵味方が入れ替わり、呪いのような永劫の人生に囚われる母の救済の手段と、鍵となる妖刀「殺生石 華陽」を争って、一族・戦友・旧敵が乱れて党派に分かれ合い争う、剣撃、剣劇、また剣劇。

『勇気あるものより散れ』6巻より(相田裕/白泉社)
自分は剣術の歴史も流派も技術もまったくくわしくないですが、超人的な身体能力はあれど必殺技などの漫画的ファンタジーには頼らない剣劇描写、見応えあって眼福です。
今巻も前巻に続き、妖刀「殺生石 華陽」を巡る争奪戦、剣撃、剣劇、また剣劇、そして妖刀「殺生石 華陽」を巡る争奪戦が決着。
ここまで作品を引っ張った重要人物と重要アイテムが今巻で同時に失われました。
臨時の同盟・共闘関係もリセットされて、次の目的設定まで一旦は幕間に入る感じなんかな。

『勇気あるものより散れ』6巻より(相田裕/白泉社)
殺生石の妖刀って確か他にもあるんでしたっけ?
aqm.hatenablog.jp