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あ、今日読んだ漫画

#恋文と13歳の女優 5巻 評論(ネタバレ注意)

一色 文(いっしき ふみ)・27歳(♂)は中規模の芸能事務所で経理を担当していたが、人手不足により上司から営業への異動を命じられた。

『恋文と13歳の女優』5巻より(じゃが/芳文社)

営業の職務はタレントのマネージャー。

一色が担当するタレントは、子役でブレイクした後、中学受験期の休業を経て中学生になって芸能活動に復帰した、羽賀あやの・13歳(♀)だった。

自分のために働き細々と世話を焼いてくれる一色に、あやのはすぐ懐いた、というか、わかりやすく言うとグイグイくる清楚系小悪魔だった…

『恋文と13歳の女優』5巻より(じゃが/芳文社)

という、中学生女優とマネージャーの未満恋愛もの、今んとこまだ日常寄り。

作品タイトルにしろ表紙にしろ帯のコピーにしろ、ロリコンホイホイの妄想系。

故・ジャニー喜多川の未成年タレントに対する生前の性的悪行が墓から掘り起こされて話題になってることもあって、タイミング的には最悪。

主人公の一色はグイグイくる美少女にドキマギはしつつも、

「マネージャーとしてこの子に何をしてあげられるか」

という職業意識と、毒親ではないものの不在の父親・多忙な母親の家庭で父性にも母性にも飢えている子どもに同情的。

『恋文と13歳の女優』5巻より(じゃが/芳文社)

自制というよりはそもそも恋愛・性愛の対象としてあやのを見ていないながら、ビジネス&同情からくる優しさがティーンエイジャーを勘違いさせてしまう定番展開。

主人公2人、一色とあやののインナースペースの描写の湿度が高く、どこかスキャンダラスで破滅的な結末を予感させはしつつも、出版社は芳文社で、レーベルはFUZで、あんまりそういう展開の作品が思い浮かびませんね。

イメージ的にはこれが講談社でマガポケあたりだと淫行一直線なんでしょうけど。

前巻で「あやのを一流の女優として開花させたい」と一色のスタンスが固まったところで、今巻はこれまでチラ見せされ匂わされてきた一色の過去編。

『恋文と13歳の女優』5巻より(じゃが/芳文社)

制作会社経由でTV局の制作部、バラエティ班に配属された一色。

パワハラ上司、同僚が次々と脱落していくブラックな労働環境、常時メンタルがやられてる日々に一色が出会ったのは、売り出し中のグラビアアイドル・桐谷あかりだった。

「ギャル清楚」で売り出し中の同い年のあかりとの複数回の遭遇を経て、「本当の顔」を見せ合った二人は、徐々に惹かれあっていく…

ちょっと『ヤニ吸うふたり』っぽくなりつつの、「ファムファタール」編。

『恋文と13歳の女優』5巻より(じゃが/芳文社)

「魔性の女」と呼べるほど、あかりが意識・無意識に小悪魔的な振る舞いをしたわけでもないんですが(そうか?)、「弱みを見せたツンデレさん」とでもいうのか。

一色があかりに惹かれていく過程が、尺を使ってじっくり描かれます。あ〜、これは好きになっちゃうよね〜…

本格的な出番的な意味では、実質今巻初登場と言っていいあかりですけど、自分ももうあかりのこと好きだわ。ぶっちゃけ、あやのよりかわy

『恋文と13歳の女優』5巻より(じゃが/芳文社)

「現在編」であかりと別離していることは確定しているんですけど、別れ方によっては後に尾を引くやつだー。

世界線が違ったら、むしろ一色とあかりのラブストーリーをメインに据えた作品みたいなのを読んでみたかったな、と思って作者の過去作をAmazonで探したらなくて、この作品が連載デビュー作なんですかね。

若い女に慕われつつ悲しい過去の恋を引きずってる、「失恋ナルシズム」というか、ハードボイルドもののよくあるパターン(『紅の豚』もそうですよね)で、本作ヒロインで一色を「攻略する側」のあやのの立場からしたら、

『恋文と13歳の女優』5巻より(じゃが/芳文社)

「悲しい過去の恋」を引きずってる、って色んな意味で「ずるい」っちゃするいんですけど。

 

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