
ゲーセンと格闘ゲームにかけた青春ラブコメ漫画『ハイスコアガール』シリーズなどで著名な漫画家・押切蓮介による、発売1年が経った『ストリートファイター6』、通称『スト6』の赤裸々なチンパン実録エッセイ漫画。
2023年にタイムスリップしてきたハルオと大野が『スト6』に挑む!
という体裁を1ページでぶっ壊して、

『俺より弱いやつに会いに行く』(押切蓮介/スクウェア・エニックス)
謎の本名カミングアウト、なんなんw
40代になったおっさんが、格ゲー対戦の勝った負けた、強さと弱さ、上手い下手、優越感と劣等感の狭間の無間地獄でのたうち回る様子を切々と。
自分の格ゲー歴は、『ストⅡ』『バーチャ』『バーチャ2』あたりが高校生〜大学生で「ゲーセン現役」だったかな。
通信対戦もほとんどなかった時代の、野良乱入中心の田舎のゲーセンでしたけど。
その他、ゲームの対人戦はMMO『リネージュⅡ』の対PK戦・戦争・オリンピア(1v1戦)、『CoD』シリーズや『スプラ3』などのFPS・TPS、あとソシャゲ『ウマ娘』のチャンピオンズミーティングも対人戦といえば対人戦か。
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MMOやソシャゲの対人戦は、前段階の課金やレベル上げなどのリソース投下要素も大きいので、純粋に「才能と学習と修練の蓄積によるプレイヤースキル」が問われるアクションゲームの系譜という意味では、FPSが一番近いのかな、と思います。

『俺より弱いやつに会いに行く』(押切蓮介/スクウェア・エニックス)
赤裸々に腹グロいw
対人戦における「学習と修練」は情熱が支えてるので、よほどの生来の才能に恵まれない限りは、「ガチな奴が強い」というより「ガチな奴が強くなる」んですよね。
そしてこの「ガチになる」というのが、対人戦において本当に無間地獄です。
「無敵の世界一」にならない限りは、強くなっても上には上が無限に居て、螺旋というかバネやドリルのように立体的に「上」に向かって上昇はしている(はず)ものの、同じようところをずっとグルグル回っているというか。
ふと昔より高みにいることに気づく瞬間はあっても、ちょっとずつ登ってる最中は景色にほとんど変化がないように見えるんですよね。

『俺より弱いやつに会いに行く』(押切蓮介/スクウェア・エニックス)
母ちゃんのせいにするんじゃねえよw
格ゲーに限らず、特にボクシングなどの1on1のスポーツや将棋・囲碁などの競技は、勝ち負けの言い訳の逃げ場がない、己の心技体の弱さと常に向かい合い続ける、孤独で過酷な世界だなと常々思います。
ガチればガチるほど、思考の大半が「己の弱さについて」になってくるんですよね。
「自分がどれだけサボったか」も、「自分の弱さから目を逸らして他責で言い訳しているか」も、自分が一番よく知ってるし。
と書くと、非常に高尚なことのように聞こえますけど、

『俺より弱いやつに会いに行く』(押切蓮介/スクウェア・エニックス)
実態はこの漫画に描かれているとおりチンパンですからねw
作中書かれているとおり押切先生も「四十にして惑わず」の40代になられてるのかな?なんですけど、漫画の主人公のようにはいかない対人戦の螺旋の中で惑いまくりの七転八倒w
自分はもう格ゲーそのものは嗜んでいませんが、あれから30年経ってゲームが人気の浮き沈みはあれど正常進化しても、40歳を過ぎても、あの頃のままの情熱で転がり続ける押切先生の様子を読んでいると、自分の弱さと向き合い続け台の前でチンパン化しながら無間地獄でのたうち回り続ける精神的な体力を、羨ましく思う気持ちが湧いてきます。

『俺より弱いやつに会いに行く』(押切蓮介/スクウェア・エニックス)
年々、自分の興味というか夢中になる対象が、チンパン化しないもの、恥をかかないもの、人と競わないもの、自分の弱さと向き合わずに済むもの、自分を傷つけないもの…そうしたものに移っていってる自覚があるので。
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自分から失われつつある、そうした精神的な体力や恥も外聞もない闘争心、没頭、夢中。
代償行為的ですけど、自分の代わりにというか、自分の分までというか、熱く闘い続けてほしいな、

『俺より弱いやつに会いに行く』(押切蓮介/スクウェア・エニックス)
と対人戦ジャンルから降りつつある外野の赤の他人が勝手なことを。
てゆか、もっかい自分もなんか対人戦ジャンル、やってみようかな。
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