#AQM

あ、今日読んだ漫画

#カグラバチ 4巻 評論(ネタバレ注意)

「斉廷戦争」から15年。

『カグラバチ』4巻より(外薗健/集英社)

戦争を終わらせた六振りの妖刀を世に送り出した日本随一の刀匠・六平国重は、息子を見習い弟子に刀を打ち続ける穏やかな日々を過ごしていた。

が、「毘灼」を名乗る妖術士集団に工房を襲われ、六平は死亡、回収され秘蔵されていた六振りの妖刀も強奪され、14歳の息子・チヒロだけが遺された。

3年後、生き残ったチヒロは、父の仇である「毘灼」を追い、奪われた六振りの妖刀を回収すべく、名工・六平国重が遺した七振り目の妖刀を手にとっていた。

「刀社会」となり妖術士が跋扈し裏社会と繋がる日本と東京、妖術とそれの源となる「玄力」、妖術を駆使し取り締まる国家機関「神奈備(かむなび)」、不死の力を持つ鏡凪一族の少女。

『カグラバチ』4巻より(外薗健/集英社)

六振りの妖刀が持つ力とは、「斉廷戦争」とは誰と誰の戦いだったのか、チヒロの出生が「斉廷戦争」の終戦前後と符合することに何か意味があるのか。

という週刊少年ジャンプ本誌連載のバトル漫画。

剣戟アクションというよりは能力バトル寄り、過去のジャンプのいろんな大ヒット作の匂いがして「どれのアシスタントだったんですか」と訊きたくなるような、画面はあらゆる意味で近年の正統派ジャンプ・バトル漫画という感じ。

作品のカラー的にはダーク系で、低年齢層向けよりは『BLEACH』『呪術』寄りでしょうか。

『カグラバチ』4巻より(外薗健/集英社)

「悪・即・斬」でテンポの良く、2巻でその時点でのラスボスを倒す展開もそうですが、ジャンプバトル漫画の「メタ獲り」というか、従来のジャンプ・バトル漫画の

「どうせそうなるってわかってるのに、もったいつけた、かったるいやりとり」

が省略されたスピーディな展開。

主人公たちが戦ってる間に、読者は

「こいつに勝ったら次どうなるのかな、誰と戦うのかな」

と既に「次」を考えてたりしてたんですが、そこにギアを合わせに行ってる感じがします。

『カグラバチ』4巻より(外薗健/集英社)

国家機関「神奈備」すら恐れる能力を持った漣家、その家業たる年に一度のオークション「楽座市」にかけられる、奪われた妖刀「真打」、そして「淵天」。

これを奪回すべく、チヒロたちは会場である漣家施設の地下深くに隠される扉を目指すものの、行手には漣家の能力者たち、神奈備の刺客、そして毘灼の印を持つものまでが立ち塞がる…

ということで、バトル、バトル、バトルの殴り込み編。

妖刀や妖術、その基となる玄力、の制約というかルール、限界がまだ示されていないので、バトル展開や強さの根拠のロジックとしては頭脳戦や駆け引きよりも作者の匙加減、「より上位に覚醒したもん勝ち」みたいなとこはあります、まあそんなジャンプ・バトル漫画はこれまでも今もたくさんありますね。

『カグラバチ』4巻より(外薗健/集英社)

漣家なあ。

本人たちは初代とその血統をありがたがってるけど、その能力を全力で搾取と保身に傾けた子孫しか生まなかった「卑しく穢れた血統」にしか見えませんが、読者にそう思わせるぐらいの純度の高い悪役ぶり。

本来は何のために存在する能力なのか、とか考えてしまいますが、その辺は伯理の今後に期待でしょうか。

こう、物語に対して「毒親は救うもの」から「毒親は捨てるもの」を経て、「毒親は殺すもの」が望まれるようになってきたのかな、とも思いますが、まあ、「漫画だし」というか、『カグラバチ』の悪役をもって現代の社会や家族を語るのもちょっと違う気がしますね。

『カグラバチ』4巻より(外薗健/集英社)

そう言えば、チヒロの「父の遺志を継ぐ」ムーブ、ジャンプ漫画としては伝統的なものですが、親がいなかったり毒親だったりすることが多い近年の漫画のキャラの中では、久しぶりみたいに錯覚してしまいますね。

 

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