『みつどもえ』の作者の現作。
ラブコメ漫画は数あれど、WEB連載で既読にも関わらず新刊が一番楽しみな作品。
TVアニメも2期放映済み、2クールもやられると、単純に接触時間の長さで余計に愛着が湧いてしまいます。
主人公は、雑誌の専属モデルもこなす陽キャ美少女・山田、を殺す妄想をする中二病で陰キャでぼっちな男子中学生・市川。
図書館で偶然見かけた彼女は、一人でおにぎりを頬張りながらゴリラのような鼻歌を歌う、意外と割りと残念な感じだった…
コメディの皮をかぶせた、エロで独りよがりで優しい中学生の、初恋の繊細な機微の描写。
8巻かかってお付き合い開始、「未満恋愛ラブコメ」あらため「おつきあいラブコメ」に入って3冊目の11巻。
中3の夏、市川と萌子はそれぞれ難関校の受験を決意、山田は女優の卵として着々と知名度を上げ、市川と山田の「おつきあい」はタイミングが合った「信頼できる少数の友人」だけが知っている夏。
山田のSNS動画の500万バズ、山田の誕生日、忘れた頃のサプライズ・フラッシュモブによる強制告白イベント、浴衣と花火の夏祭りとナンパイ・カミングバック、萌子の志望校の文化祭見学、予想を超えたスピードで有名になっていく山田に所属事務所が下した決断、受験を控えた市川の決断。
と、今巻もイベント・事件がてんこ盛りながら、「難関校の受験」と「有名芸能人との内緒のお付き合い」という宿題を背負った、作品全体における「曇らせパート」に入ったかな、という気はします。
b.hatena.ne.jp
人気芸能人の彼女と難関校受験生の彼氏の、目指す将来の方向が違って、生活のすれ違いも多そうな組み合わせ、
どうしても『キラキラ!』思い出しちゃうんだよね。『キラキラ!』は自分の青春恋愛漫画のベンチマーク、教科書の一つ。
『キラキラ!』ほど重たい作品ではなく、80年代の青春漫画の主人公達と比べても、損得勘定もできてクレバーでエラー修正能力も高く、現代的な「ラブコメ安定感」の高い主人公2人なので、どう乗り越えるかが楽しみではあるんですけど、反面、やっぱり中学生カップルが背負うにはちょっと重たい曇らせ要素だよなー、という。
リアルだったら、高確率で別れますよねコレ。
しょっちゅうシコってるし成長もしたとは言え、受験生としてただでさえ普通にストレスのかかる市川、山田は割りと自爆型というか、ストレスを内に溜めてそれが行動に露骨に表れちゃうタイプだし。
平たく言うと、山田ってストレスに対して市川とのスキンシップで精神充足しようとして行動がエロくなりがちで、毎回その結果、一部の読者からの好感度が下がりますよねw
市川とオープンにつきえあえないのと、「お家デート」などの人目を忍んだ密室に篭りがちになる分、
それに拍車がかかりそうだなあ、とw
男性読者を代表するつもりは毛頭ないけど、この漫画にそこまでエロとか求めてないんですけど、いつかのあとがきにあったように
「思春期男子・思春期女子の性欲の存在を描くことから逃げたくない」
という作者の意向もあって、バランス取りの難易度高ぇ局面だなあ、という。
aqm.hatenablog.jp
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