#AQM

あ、今日読んだ漫画

#負けヒロインが多すぎる!@comic 4巻 評論(ネタバレ注意)

過去3巻はすべて八奈見が表紙だったんで、このままずっと八奈見が表紙かと思ってたんですが、

今巻は焼塩が表紙。

ラブコメに一家言持つ自称「違いのわかる男」な男子高校生・温水和彦は、知り合いを避けて隣町のスタバでラブコメラノベを読んでいたが、隣の席でクラスメイトの男女が「ラブコメ漫画の最終回の1話前の主人公とサブヒロイン」みたいな会話をしている場面に遭遇してしまう。

『負けヒロインが多すぎる!@comic』4巻より(雨森たきび/いみぎむる/いたち/小学館)

そんな失恋シーンを和彦に目撃されてしまったことに気づいた八奈見は激しく動揺し、持ち合わせがないのにスタバでやけ食いして和彦に借金した上に、和彦相手に延々と失恋の愚痴を繰り広げるのだった…

という、失恋シーン目撃から始まるボーイ・ミーツ・ガール。

借金返済の代わりに八奈見が日々の弁当を用意することになり、毎日昼飯を食いながら八奈見の愚痴を聞かされる他、八奈見以外にも続々と「負けヒロイン」が和彦の周囲に現れ吸い寄せられるように和彦に絡んでくる…という、複数ヒロインの若干ハーレム風味。

『負けヒロインが多すぎる!@comic』4巻より(雨森たきび/いみぎむる/いたち/小学館)

全員フラレナオン。

『神聖モテモテ王国』1巻より(ながいけん/小学館)

主人公がラノベ・なろう系好きということもあり、文芸部に入部。文芸部も今どきらしく(?)ラノベ・なろう系好きが集まっていて、投稿作を各自で仕上げる夏合宿。

癖のないプレーンでモダンな方向に強まった美少女画力で、道中とても眼福なラブコメ漫画。

ごちゃごちゃわちゃわちゃしてて目が滑るギリギリで、読者に親近感を持たせるための美少女のポンコツ描写もありきたりではあるし、『かぐや様』のマキちゃんみたいなの

『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』10巻より(赤坂アカ/集英社)

いっぱい出せばウケるんじゃね?みたいな下心をなんとなく感じなくもないんですが、それらの全てが

「失恋の胸の痛みを逃げずに受け止める女の子の涙の美しさ」

の前フリというかタメというか、

ここぞのシーンのセリフと絵、演出の美しさ、良いんですよね。

いろいろ変化球なラブコメ作品なのに、ここだけ奇を衒わないド直球。

ハーレムっぽくたくさんのヒロインに代わる代わるスポットが当たっていく展開になる作品かな?

『負けヒロインが多すぎる!@comic』4巻より(雨森たきび/いみぎむる/いたち/小学館)

今巻は、焼塩が「正式に失恋」するためのエピソード。

「青春あるあるやらかし」

「青春あるある傷つき」

に端を発する、振った振られたのド定番の恋愛青春劇。

女の子がフェチ可愛くて、長く売れ線の陰キャ男子ハーレム設定・展開で、と商業的に計算高いガワながら、ここぞのシチュやシーン、セリフは必ずど真ん中ストレートなんだよな。

話を回すための超鈍感キャラの存在や、主人公に負けヒロインが寄り集まってくる状況などの漫画的な描写を除けば、温水が目撃するヒロインたちの失恋は、わざわざラノベやアニメや漫画にするほどユニークでもない平凡なもので、本当にどこにでもありふれたものですが、その分リアルで、胸の痛みもまたリアルです。

『負けヒロインが多すぎる!@comic』4巻より(雨森たきび/いみぎむる/いたち/小学館)

他の作品群が「本当にどこにでもありふれた失恋」を描かないことによって、この作品が特別なラブコメになってるのが、ちょっと面白いです。

もちろん、ハーレム要素、特にメインヒロインで「面白れー女」八奈見の魅力がエンタメ要素としてデカいってのはあるんですけど、一般論として失恋描写を病的に避けがち・先延ばししがちなハーレムラブコメジャンルで、一見食い合わせが悪そうな

「ハーレム×失恋描写」

がリアルな胸の痛みを伴って成立しちゃってんのは、

『負けヒロインが多すぎる!@comic』4巻より(雨森たきび/いみぎむる/いたち/小学館)

ちょっとした発明ですよね。

 

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