#AQM

あ、今日読んだ漫画

#サボタージュ・サマー 2巻 評論(ネタバレ注意)

長谷川 湊(はせがわ みなと)(22歳 ♀)は、スタイリストを志して都内の美容院でアシスタントとして働いていたが、美容院の経営の悪化に伴い店は閉店、突然無職に。

『サボタージュ・サマー』2巻より(天野茶玖/芳文社)

次の職場を探すでもなく実家で油を売っていると、母が親戚夫婦から

「夏休みに海外旅行に行く間、小学生の一人娘・ランの面倒を見てほしい」

と頼まれた話を聞きつけ代理を買って出て、幼少期の記憶が残る、岡山へ。

ドジで陽気なミナトお姉ちゃんと、クールで真面目なランちゃんの、夏休みが始まった!

というガール・ミーツ・ガールな、期間限定の日常もの。

『サボタージュ・サマー』2巻より(天野茶玖/芳文社)

作者の前作、デビュー作だったそうですが、女子高生が弓道でプロの殺し屋を営むという、全日本弓道連盟から怒られそうな漫画作品『咲宮センパイの弓日』を好きで読んでいたんですが、

aqm.hatenablog.jp

全日本弓道連盟から怒られたのかどうかは知りませんが、残念ながら2巻が出ませんでした。面白かったのにぃ。

ということで4年ぶり、作者のお久しぶりの新作。

『サボタージュ・サマー』2巻より(天野茶玖/芳文社)

設定に凝ったところはなく、ガール・ミーツ・ガールな夏の日常もの。

作品タイトルも1巻の表紙も美しくて、もうその時点で「勝ち確」感がw

夏!田舎!青空!入道雲!少女!白いワンピース!っていう。

ストーリーも、ミナトの将来への漠然とした不安や復帰に向けた「サボってていいのか?」という焦燥感などは描かれつつも、奇を衒ったところのない、ミナトとランが少しずつ打ち解けて、田舎の夏休みを遊んでいる、ただそれだけの内容です。

前作の「弓道女子高生アサシン」と比べるとベタ&王道に尽きる今作ですけど、奇を衒わず、単純に楽しそう。

『サボタージュ・サマー』2巻より(天野茶玖/芳文社)

今巻は、プールでランの水泳の練習、雨の日のラーメン作り、浴衣で夜市におでかけ、ホラー番組鑑賞会、山奥のダンボール秘密基地、夜のコンビニまでお散歩、草むしりついでの雑草茶の自由研究、G騒動、古い宿場町まで田舎でお出かけ、などなど。

自分は特に岡山になんの地縁もないですけど、「ザ・ニッポンの田舎の夏休み」、岡山に帰りたくなりますね。

ただ前述のとおり、ミナトは親戚夫婦の海外旅行中の臨時保護者で、東京に戻って美容師として復帰することを目標にしています。

『サボタージュ・サマー』2巻より(天野茶玖/芳文社)

この夏の間の日常が楽しければ楽しいほど、その終わりを意識せざるを得ない残酷な設定。

「ただの日常」なんですけど、その「いつか終わる約束」が、時間がゆっくり流れているはずの誌面の外で、奇妙な焦燥感や「時間の戻らなさ」を読んでる身に感じさせます。

チクタク、ジワジワと、でも絶対に止めることも巻き戻すこともできない時間。

美しい夏だなあ。

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時間の戻らなさは、この作品に限らずほとんどの漫画作品や、我々の人生も同じはずなんですけどね。

『サボタージュ・サマー』2巻より(天野茶玖/芳文社)

子どもの頃に戻りたいわけではないけれど、「戻れる」選択肢は、そもそもないんだな、と。

 

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