#AQM

あ、今日読んだ漫画

#気になってる人が男じゃなかった 3巻 評論(ネタバレ注意)

陽キャでギャルな女子高生・大沢あやは、しかし洋楽ロックバンド趣味が周囲の友人とは合わず、音楽は独りで聴くことにしていた。

『気になってる人が男じゃなかった』3巻より(新井すみこ/KADOKAWA)

ある日の帰り道、あやが立ち寄った新しいCDショップのバイトのお兄さんは、細くてスタイル良くて黒ずくめのパーカーとマスクで音楽のセンスも良いイケメンで、あやの運命の「推し」になった。

あやの運命の「推し」のお兄さんは、洋楽好きでユニセックスなファッションが好きで叔父のCDショップでバイトをしている、実は学校であやの隣の席の陰キャでメガネで目立たず過ごしている女子高生・古賀みつきだった。

みつきは、隣の席の陽キャギャルの片想い相手がバイト時の自分であることに早々に気づいたが、自分の「正体」をあやに打ち明けられずにいた…

『気になってる人が男じゃなかった』3巻より(新井すみこ/KADOKAWA)

という、どこか孤独を抱えた二人の「ガール・ミーツ・ボーイ(ガール)」から始まる、青春マスカレード百合(?)コメ漫画。

「マスカレード」は、「片方もしくは両方が正体を隠して恋をする話」を意味する、自分の造語(?)です。

あと、「百合」かどうかはあなたのハートに訊いて各自、自分で好きなように決めてね!

ということで、男装(?)少女の変身かっこよさ感、恋するギャルの可愛い感、未満百合のドキドキ感、マスカレードなニヤニヤ感とドキドキ感など、いろいろ尊くてTwitterで話題になって、単行本化。

『気になってる人が男じゃなかった』3巻より(新井すみこ/KADOKAWA)

絵も作品テーマにマッチしてどこか静かなのにどこか華やかで、ラブリー。

自分はkindleで読んでてキミドリ色の画面が印象的ですけど、これ紙書籍もキミドリ色なんかな。

バズありきのTwitter発の漫画は構成というか構想の「背骨が薄」くて連載長期化に耐えられない作品が前は多かったんですけど、最近はこなれたというかライク・ア・ローリングストーンというか、どう転がっていくのかわからないライブ感を逆手にとった、面白い漫画が増えてきたように思います。

とはいえ。

メタ情報がノイズになっているのか、

「萌えシチュだけ考えてバズって、オチを考えていなかった」

故の迷走を幻視してしまう気もします。

反面、

「走りながら考えている」

ライブ感もw

最初からエンディングが決まってたらごめんなさいw

『気になってる人が男じゃなかった』3巻より(新井すみこ/KADOKAWA)

作中、割りとあっさり高3に進級、卒業後の進路が気になる時期に。

スマッシュヒットの割りに引き伸ばしするつもりはないんだな、とも。

・百合未満恋愛の話

・「好きを貫く」話

・もしかしたら「音楽に選ばれた人」に恋した少女の話?

それもこれもひっくるめて、「青春の話」と言ってしまえば、それはそうなんですが。

3巻、少しずつその才能と魅力が「世界に見つかっていく」古賀さん。

同時に、あやから見た彼女が

「音楽でしか救われない人間であること」

「音楽に選ばれた人間であること」

がより鮮明に描かれていきます。

実は読者からは

「音楽とあやでしか救われない人間」

に見えていて、「叔父と元カノが犯した失敗」も含めて、最後の答えはもう見えているようなものなんですけど。

『気になってる人が男じゃなかった』3巻より(新井すみこ/KADOKAWA)

時制もテンポよく進んで、高3のクリスマスに。

「高校の教室の狭さ」も必要な要素である漫画に見えますが、普通に考えたら4巻で完結なんですかね?

音楽もの漫画において「ビッグになること」はアクセサリーではあっても必ずしもゴールでないことを、我々は40年近くも前に経験していて、

『TO-Y』10巻より(上條淳士/小学館)

気になるのはやっぱり結局、そのラベルが恋愛であるかどうかはともかく、古賀さんとあやの関係に収束していく感じでしょうか。

音楽に選ばれた人間の作品であっても、聴いてくれる人がいないと成り立ちませんしね。

そういえば、在るのか無いのか未だによくわからない(でも作品によってはキッチリ線が引かれる)「恋愛の片想い」と「推し感情」の境界線が、ここまではフワフワした漫画だなあ、と思います。

『気になってる人が男じゃなかった』3巻より(新井すみこ/KADOKAWA)

最期まで既製のラベルを貼らないのも、それはそれで正解かもね、と。

 

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