
表紙、誰だっけと考えてたんですけど、今巻終盤にちょい久し振り登場のモゲ、でいんですよね?
アニメ化決定とのことで、

『天幕のジャードゥーガル』5巻より(トマトスープ/秋田書店)
「おめでとうございます」なんですが、正直、
「早くね?」
と。
この漫画のサビ(主人公が本領発揮した中小エピソードのクライマックス・見せ場)を、自分はまだ見てないと思ってんですけど、自分の解釈違いか、それとも最近のアニメ化ってそういうもんなのか。
ググって本日現在までのいくつか記事を読んでも、
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どれにも放映時期の記載が見当たらなく、ただの有望原作の「青田買い」?
何年後の話なんですかね。
さて。
1213年、ペルシア(現イラン)で奴隷として売られていた少女・シタラは、幼いながら見目が美しく賢かったことから、特に奴隷商人の「上流階級の付き人に育てては」との推薦を受け、温厚な学者一家に引き取られる。
学者だった当主は亡くなっていたものの、温厚な学者一族の家柄と心優しく教育熱心な夫人・ファーティマの庇護の元、彼女に仕え学問を学び穏やかに8年の時が流れたある日、カタストロフが訪れる。
チンギス・カン率いるモンゴル帝国の西征により彼女が暮らす都市・トゥースも侵略され陥落し、シタラの生活は一変。虜囚として遥か東方の帝都に連れ去られる。

『天幕のジャードゥーガル』5巻より(トマトスープ/秋田書店)
シタラは復讐心を胸に秘めつつ、自分を庇って斬殺されたファーティマの名を名乗り、虜囚の身から「知」を武器にモンゴル帝国宮での立身出世を図るのだった。
という、史実ベース、史実の人物の伝記フィクション。志のスケールが大きく、「大河」と言って良いかもしれません。
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主人公の「数奇な運命」をエピソード取捨選択してテンポ良くグイグイ読ませる展開や、シンプルで見やすい画風も相まって、60年代の劇画ブーム前の「古き良き少年漫画」の香り、ぶっちゃけテーマも相まって手塚治虫の『火の鳥』が現代ナイズされたような印象を持つ作風。
チンギス・カンが死に、権勢がその皇子たちに引き継がれたモンゴル帝国。

『天幕のジャードゥーガル』5巻より(トマトスープ/秋田書店)
第4皇子トルイの妃に侍女として仕えていたシタラは、侍女を解雇されると同時に、第2皇子チャガタイの宮廷に密偵として忍び込むことを密命されるが、途上で捕えられた成り行きで、即位して新たな皇帝となった第3皇子オゴタイの第6皇后・ドレゲネの、審問を受けることとなる。
このシタラとドレゲネの運命の出会いが、モンゴル帝国の運命を大きく狂わせていく…
モンゴル帝国に、あるいは一族を滅ぼされ、あるいは拉致されて、恨みを抱く第六妃・ドレゲネとヒロイン・シタラの密約。

『天幕のジャードゥーガル』5巻より(トマトスープ/秋田書店)
一方、皇位を継がなかったものの武力を含めて皇帝を凌いで勢力最大のトルイ皇子が宮中の火種だったものの、頓死。
皇帝・オゴタイと第一皇后・ボラクチンの支配体制は盤石となったかに見えた。
しかしトルイの死にはボラクチンの陰謀が関わっており、その陰謀はシタラの知るところとなった…
前巻に引き続き、今巻もオゴタイ・ボラクチンの体制側、シタラ・ドレゲネの復讐側、の図式。

『天幕のジャードゥーガル』5巻より(トマトスープ/秋田書店)
純フィクション作品と比べた時の、史実ベースの物語の面白さの一つは、「アクシデント」でしょうか。
大活躍が期待された重要キャラが、活躍する前に見せ場もなく、よく頓死します。
全盛期の田中芳樹の(SF/中世ファンタジー)歴史小説作品でも、重要キャラがよく頓死してました。
アレもまあ、リアリティ演出というより、参考にした史実でそういう場面が多かったんでしょうね。
ということで、トルイの頓死に続き、またも有力皇子の頓死で陰謀計画の修正を余儀なくされるシタラとドレゲネ。
今回はボラクチンもかw
あとは、人生を踏み潰される側だったシタラ(ファーティマ)が、「意図した形ではなかった」とは言え、政争の過程でいよいよ他人の人生を踏み潰す側に回り始めた、というところですかね。

『天幕のジャードゥーガル』5巻より(トマトスープ/秋田書店)
他人の犠牲も厭わず、全ては復讐のために。
自分を正当化しようとせず潔い。
それでこそシタラの狂気と滅びを物語として楽しめる、と思いつつ、ちょっとなんかDQNザマァのスカッとジャパンみたいだな、とも。
酷いラストを迎えるヒロインが聖女だとつらいけど、悪女でいてくれるとエンタメとして楽しめちゃうという、一種の公正世界仮説?

『スナックバス江』13巻より(フォビドゥン澁川/ 集英社)
シタラの業であり、私の業なんですかね。
人生を踏み潰されたものの怒りが歴史を動かし、その動いた歴史の果てにまた別の誰かを踏み潰される、人類の歴史って多かれ少なかれ、そういうもんか。
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