すでに滅びたギアーデ帝国の自律戦闘機械群「レギオン」が席巻する大陸における唯一最後の人間国家、白人種と85の区からなるサンマグノリア共和国。度重なるレギオンの襲来からの国防を担うのは無人多脚戦車(ドローン)とこれを遠隔指揮する指揮管制官(ハンドラー)、共和国は「戦死者のいない戦争」によって防衛されている。
が、その実、多脚戦車は無人ではなく、共和国の壁の外の強制収容所・通称「86区」の被差別階級の有色人種が搭乗する有人戦車だった。
精鋭戦隊隊長・パーソナルネーム「アンダーテイカー(死神)」と呼ばれる少年シンエイ・ノウゼンと、差別的な欺瞞に疑問を感じながら若くして指揮管制官の地位に至った少女、ヴラディレーナ・ミリーゼ少佐の、無線通話でしかコミュニケーションしない男女を軸にしたディストピアSF。
ヒカ碁やデスノートにおける小畑健を思い出させる絵の匠による、電撃文庫のコミカライズ。表紙はちょっと損してて、モノクロの方が絵が上手い人です。
ラノベ原作らしい厨二病ハードボイルド要素てんこ盛り、暗いけど面白いテーマでやってるので、原作・コミック双方、完結まで責任もって描ききって欲しいところ。期待してます。