「今日も一日がんばるぞい!」の謎のブレイクから火がついて早や4年、8巻。
失礼ながら「まんがタイムきらら」系の量産型美少女4コマのルックスを持ちつつも、「登場人物が成長していくお仕事漫画」の背骨を頑なに守り続ける漫画。
多摩美に不合格、専門学校を経てゲーム会社に就職するも2年で退職した作者の経歴や情念をいろんなキャラに色濃く反映、「業界もの」としてはだいぶ情報を薄めて、仕事の失敗や人間関係の葛藤を通じた登場人物の成長に焦点を当てる。
増えたキャラもあくまでストーリー展開に直結する最低限必要なキャラだけ配置、とのことで真面目な作者だな。
正直、自分は他の漫画と比べて「すごい!面白い!」とまでは思わないんだけど、脱サラした絵描きがリーマン時代を振り返って悔恨とともに「こんな風に働きたかった」って思いながら描いてるのがビンビン伝わってきて、「描いちゃいけないこと」を良識的に分別する真面目な人柄も手伝って、なんかこう、「こんなに上手くいかねえよ」と思いながらも、登場人物たちを応援しないわけにはいかないんですよね、リーマンのおっさんとしては。
ゲーム業界版・絵描き版の「夢だっていいじゃない」とでもいうか。