#AQM

あ、今日読んだ漫画

#GROUNDLESS 8巻 -あなたが砂に埋もれぬように- 評論(ネタバレ注意)

「おお われらの勝利 永遠に 悪しき魂 打ち砕く
 我ら力を合わせれば 砕いた悪に明日はなし」

ラジオや映画、自動小銃はあるけど、TVやネットはなく、空軍はプロペラ機ぐらいの時代設定、島国アリストリアが舞台の架空戦記。

大陸政府の支配下で体制側である中央合議会とその正規軍の「島軍」、これに反旗を翻した「解放市民軍」による内戦。都市防衛を第一義とするも島軍に従属する「自警団」。

ヒロインは、島軍と解放市民軍の間で武器商の夫を殺され子を失い、復讐を誓う隻眼の未亡人。秘蔵の狙撃銃で自警団に参加し開花した天才狙撃手。民族間の断絶から終結が見えない内戦の中で、状況に流されながら生き残るために戦うヒロインたち。

見せ場はヒロインの狙撃シーン。局地戦を舞台に劣勢の戦局をチート気味にひっくり返すカタルシスとともに、高性能スナイパーの怖ろしさ、残酷さ、罪深さ、「人間に向けて銃を撃ったら人間が死ぬ」という当たり前のことをこれでもかと描写。

前巻から引き続き南部侵攻戦。解放市民軍の内幕、指導者の意外な行動。ヒロインは初めて非武装の非軍人相手の狙撃を試みる。

この漫画のえげつなさは多分、戦争のえげつなさ、人間のえげつなさ。