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#とつくにの少女 8巻 評論(ネタバレ注意)

童話のような、寓話のような、絵本のような。外形的には奇しくも2巻連続発売日がカブった「魔法使いの嫁」に近いけど、まったく別もの。吉田明彦のデザイン画のように古風で素朴だけど格調のある美しい絵柄。

生贄として人の世を救済する力を持つとされる少女・シーヴァと、故あって彼女の守護者となった「呪われた者」・先生。シーヴァの身を狙う、人の城から来た兵士たち。同じくシーヴァの身を狙う「外つ国」の「そとのもの」たち。

近巻では住み慣れた家に居ることができず逃避行となっていて、展開としては「レオン」や、今巻は下手すると「ナウシカと巨神兵」に近い。

体が呪いに侵されるシーヴァを案じた先生はある行動に出て、それが2人の運命を大きく変えていく。人の城の王との対話を通じて、物語の終末が近いことを予感させる。

どう転んでもハッピーエンドの目はなさそうだった話が、シーヴァの身柄がああなったことで逆にどう転ぶかわかんなくなった感じ。レオンだったら麻薬取締局に乗り込むところ、巨神兵でも一緒か。

ひたすら無垢に描かれるシーヴァを、もしかしたら作者は本当に「世界を救済する者」に、生け贄とは別の形でするつもりかもしれないと思ったり。

 

とつくにの少女 8巻 (ブレイドコミックス)

とつくにの少女 8巻 (ブレイドコミックス)

 

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