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#MFゴースト 1〜9巻 評論(ネタバレ注意)

先週の土日に「頭文字D」全48巻を久しぶりにイッキ再読したんですが、熱が高じて続編の「MFゴースト」を既刊9巻を大人買いしてイッキ読みしました。

前作のラストが、ラストバトルに勝って打ち上げやってハイ終わりー!で、たくさんのキャラたちの後日談とかその後の人生がどうなったの!?ってのが一切なかったので、気になっちゃって。

「頭文字D」、今からすると90年代の漫画というイメージが強いですが、完結したのが2013年と割りと「つい最近」までやってたんですね。18年間やってた漫画で、連載中は自分も周りも「早く終わってくれーっ!」って悲鳴あげながら「まだアレ読んでんのかよ…」と呆れられながら読んでたような、冗長な作品のイメージあったんですけど、イッキ読みしたらやっぱ面白かったです。まーでも18年は長かったよねw 前作完結から今作開始の間、4年ぐらいしか空いてません。

「MFゴースト」は「頭文字D」と同じ世界観、あっちが基本的に90年代を舞台にした作品であるのに対し、202X年が舞台の続編という位置づけです。大体20〜30年後?という感じ。前作の登場人物たちがおじさんになって脇役で大量に登場。

前作主人公の藤原拓海も本人は登場しないものの、主人公の師匠としてやたら名前がたくさん登場します。

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「MFゴースト」8巻より(しげの秀一/講談社)

「頭文字D」を読んでなくても一応楽しめますけど、前作を押さえた上で読むのと比べたら6割ぐらいかなー。というぐらい、悪く言えば前作の貯金で食ってる作品です。

前作との差異を列挙すると

・時代が1990年代ではなく2020年代(ちょっと近未来)

・主人公はハーフで英国のレーシングスクール出身のエリートの爽やかイケメン

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「MFゴースト」8巻より(しげの秀一/講談社)

・舞台は群馬中心の関東圏だった前作から、神奈川中心に

 富士山の爆発と有毒ガスでゴーストタウン化した富士山周辺・箱根あたりがコースに

・主人公のクルマはハチロクに変わってトヨタ86

・公道レースが舞台なものの非合法ではなく企業主催の合法レース 対向車こない

・1対1のマッチレースではなく、タイムアタック予選+15台による決勝レース ドローンの映像で世界中に中継配信

・国産車ばかりだった前作と違い、対戦相手は2000年以降のフェラーリ、ポルシェなどの最新ハイエンドのスーパーカーが大半 国産は86以外はGT-R、NSXなど

・レース車両はチーム本部と無線で随時会話

・社会全体でEVカー化(この設定要るかな)、ドローンの実用など

クルマが走り出しちゃえばまあやってること大体一緒です。主人公が非力なマシンと天才的な技術で高性能車と渡り合う展開も一緒。勝つか負けるかで結局主人公が全勝しちゃう1対1のマッチレースじゃなくて、15台によるグランプリレースなんで「3位狙い」とかもあって、主人公の無双具合が前作よりもやや現実路線かもしんない。

表紙だけ見てると前作と比べてキャラの顔変わったなと思いますけど、読んでたら割りとすぐ慣れて気にならなくなります。

「いまどきクルマで速く走るレースものとか…」みたいなコンセプトの古さ、他にもラブコメ描写の野暮ったさ、キャラ絵の古臭さ、展開のワンパターンさなど、

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「MFゴースト」5巻より(しげの秀一/講談社)

旧弊を挙げてアラを探せばキリがないんですけど、良くも悪くも流行に左右されない、独自の世界観を持っている作品。というか作者。アラを全部チャラにしちゃう無敵のワンパターンのゴリ押しは強ぇわ。さすが流行を作った側とでもいうか。

レースもの漫画・走り屋もの漫画というジャンル自体がニッチになっちゃって、我が道を往く老舗がブルーオーシャンで無双状態とでもいうか。

なんといっても一番肝心のクルマとレースをかっこよく描いちゃうので、

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「MFゴースト」4巻より(しげの秀一/講談社)

たくさんのかっこいい車が速く走っててかっこいい、という男の子の本能を刺激するレースものの魔力と、この作者独特のいつまでも惰性で読ませてしまう魔力みたいなんを感じます。

なんだかんだ言って読んでみたら結局面白いっつーね。

読んでるとこう、GT-Rとか衝動買いでローン組んでしまいそうになるので、早く他の金かからない分野のジャンルの漫画読んで物欲を上書きしなければw

 

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