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#ワンナイト・モーニング 4巻 評論(ネタバレ注意)

「一緒に一夜を過ごした男女が」「一緒に朝ごはんを食べる」「短編」を描きなさい。

というお題に則って描かれたようなオムニバス恋愛短編連作の第四集。

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「ワンナイト・モーニング」4巻より(奥山ケニチ/少年画報社)


会社の同僚の桃川くんと鬼ヶ島さんは一度いい感じなったけど、それからなにもない〜状態で職場のみんなでビアガーデンへ。「そうめん」。

陰キャ卒業して友達の紹介で大学生の男2女2で行った花火大会で出会った浴衣姿の女の子。「焼きそば」。

ベランダで金木犀の香りに秋を感じていたら隣のベランダで美女がビールを飲んでいた。「栗ご飯」。

眠れない深夜に街を散歩していたら金属バットを手にしたバイト先の問題児の女子とバッタリ。「くるみパン」。

大学のキャンパスのベンチで焼き芋を食べてた地味目な女の子と意外な再会。「焼き芋」。

学生時代にバンド仲間だった女子が突然「2〜3日泊めて」と訪ねてきた。「クリームシチュー」。

元同級生のヤンキー男と地味な眼鏡っ子が再会したその後。「カツ丼」、前後編。

冷蔵庫のプリンが食べたかったら可愛くおねだりしてみせろ!おまけ漫画「プリン」。

 

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「ワンナイト・モーニング」4巻より(奥山ケニチ/少年画報社)

シチュエーション縛りの短編集の第四集。ネタも尽きずによーやるわー、と思う反面、まあ自分も含めてみんな恋バナ好きだからねえ。

4冊も読むとある程度パターンも読めてきて、その一つが、この漫画では必ずしもセッ久に至るとは限りませんが、至る男女においては最後の一線を超える決断は常に女の子の側に委ねられている、というのがあります。

ヤングキングコミックスなんで男性向けのファンタジーというのもありますけど、男子が女子に迫ってセッ久に至る図、というのはご時世的にあんまり美しくない、というのもあって、2020年代の今らしいっちゃ今らしいのかな?

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「ワンナイト・モーニング」4巻より(奥山ケニチ/少年画報社)

草食系男子のファンタジーという意味では前からこうだったような気もせんでもないね。「ボーッと生きてるだけなのに美女の方から寄ってくる」とは、ヤン・ウェンリーを評した言葉でしたか。

前巻までの登場人物たちのその後の続きが描かれる篇もいくつかありますが、特に憶えてなくても支障はありません。必ずしもスイートなハッピーエンドとも限りませんが、ビターな終わりの方が珍しく自分むしろ好きだなコレ。

甘いとか苦いとかお茶の話をしてるみたいね。今巻も結構なお点前で。

 

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